2022年2月26日掲載
「お口ポカンの子どもは周りにいっぱいいる?」をテーマに
株式会社COCO DentMedical、オンラインセミナーを開催

口唇閉鎖不全も、第1回および第2回で取り上げた舌小帯付着異常や低位舌・舌突出癖などと関連しあっており、原因はケースによってさまざまあるという。たとえば歯列・咬合異常のために物理的に口唇閉鎖できないケース(上顎前突、開咬など)や、鼻咽頭疾患(鼻閉、口蓋扁桃肥大、アデノイド肥大など)による口呼吸のケース、口腔習癖(舌突出癖や吸指癖、咬唇癖など)によるケース、口輪筋筋力不足によるケースなどである。その原因を見極め適切な対応、すなわち歯列矯正や口腔習癖中止の支援、筋力アップのための運動訓練、耳鼻咽喉科への紹介などをしていくことが大切だとした。そのうえで、運動訓練(口唇閉鎖訓練、咀嚼・嚥下訓練)および食事指導に関して詳しく解説した。
今回の講演では実習もあり、参加者各自で用意した手鏡や食べ物(スティック状のせんべいなど)、ガム、水、スプーン、コップ、ストローを用いて、好ましくない食べ方や飲み方、咀嚼や嚥下などの体験のほか、運動訓練としてのガムトレーニングも行われた。
また、実際に口唇閉鎖不全のある患児に対応したケースも紹介。小児に対しては、親の負担にならないことを考慮すべきとして、生活や遊びの中で取り組めること、そして検査で状態を数値化し、その変化を見せることでモチベーションを維持するなど、継続できるようなアプローチが重要であるとした。
講演最後には、参加者への本セミナー最後のメッセージとして、小児の口腔機能発達不全を早期に発見し、適切に対応すること、さらに適切な情報の周知・啓発をしていってほしいとした。