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2022年3月13日

5-D Japan、第11回総会をWeb開催

「歯周組織再生療法を極める!~成功へ導き失敗を遠ざける勘所~」をテーマに

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 さる3月13日(日)、5-D Japan第11回総会(ファウンダー:石川知弘氏、北島 一氏、福西一浩氏、船登彰芳氏、南 昌宏氏)が「歯周組織再生療法を極める!~成功へ導き失敗を遠ざける勘所~」をテーマにWeb開催された。当初2020年に開催予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となり、3年ぶりの総会開催の運びとなった。
 
 まず、午前の部は会員症例発表が行われた。演題、演者を以下に示す。
「The management of periodontal tissue based on “5-D Dentistry”」湯口晃弘氏(北海道開業)
「Soft tissue managementの必要性」鈴木親良氏(静岡県開業)
「Dens invaginatus~歯内歯(Oehlers TypeⅠ~Ⅲ)に対しCBCT、マイクロスコープを活用した症例~」古川尊寛氏(大阪府開業)
「Soft tissue stabilityから考える歯周組織再生療法」片山明彦氏(東京都開業)

 なかでも片山氏は、分岐部を有する歯の骨欠損に対し歯周組織再生療法を行う際、「ルートトランク」の長さを考慮してアプローチすることが成功の可否の鍵を握ると解説。症例を通じて示唆に富んだ発表を行った。また、午前の部は川崎律子氏(歯科衛生士、長谷川歯科医院)による歯科衛生士のための講演会も同時開催された。

 つづいて午後の部では、長谷川嘉昭氏(東京都開業)と北島 一氏(静岡県開業)による症例検討会が開催された。「スーパーペリオ塾」をとおしてお互いの臨床をよく知る両氏が、交互に講演するスタイルで、北島氏はおもにセメント質剥離への対応について詳細に解説。氏の歯科医院で直近1年間に行われた歯周組織再生療法のうち、原因別では歯周病(54%)に次いでセメント質剥離が18%に占めていることを紹介。セメント質剥離の特徴を紹介しながら、臨床を通じてその対応の実際を解説した。長谷川氏は、冒頭、歯周治療における治療技術の向上は重要だが、それよりも「なぜ、この患者は歯周病になったのか」という病因にまず目を向けることが大切としたうえで、歯周病原細菌検査を20年実施していた臨床検察結果から「歯周治療に臨床検査を取り入れるべきではないか」と提言。患者のBMIの測定、歯周病のバイオマーカーとして高感度CRP検査を行うことにより、軽微な炎症を客観的に把握し、患者個々の状態を数値として「見える化」することの重要性を述べた。そして、「歯科衛生士は患者の細菌を考える意識をもつべき」とまとめた。その後、両氏と石川氏(静岡県開業)、船登氏(石川県開業)を交えたディスカッションが行われ、熱気に包まれたまま閉会となった。