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2022年3月13日

第20回歯内療法症例検討会がWeb開催

下野正基氏を招聘し、「治癒の病理から肉芽組織を考える」と題し特別講演が行われる

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 さる3月13日(日)、第20回歯内療法症例検討会(株式会社Toppy主催)がWeb配信にて開催された。本会は、吉岡隆知氏(東京都開業)が中心となり、歯内療法症例をさまざまな角度からディスカッションして日常臨床のヒントを得ること、また治療へのモチベーションを維持することを主目的に開催されている。

 午前中は「根管洗浄」をテーマにセミナーが行われ、まず吉岡俊彦氏(広島県開業)が「総論」として、根管治療時に根管洗浄が必要な理由や根管洗浄液に求められる条件について解説した。続いて、各種の根管洗浄液を紹介し、その選択方法については、基本的には次亜塩素酸ナトリウムを使用するが、目的によって、根尖孔外に出そうなときは生理食塩水または精製水、スメア層を除去したいときはEDTAを使用するなど、使い分けることを推奨した。

 次に「各論」として古畑和人氏(埼玉県開業)が講演を行った。氏は根管洗浄法について、シリンジ洗浄や超音波根管洗浄、LAI(laser activated irrigation)、iNP(irrigation with negative pressure)などの根管洗浄法を解説したうえで、それぞれの特徴とリスクを把握することが重要であると述べた。

 午後の歯内療法症例検討会は、8名の演者による症例発表、質疑応答が行われた後、特別講演「治癒の病理から肉芽組織を考える」と題し、下野正基氏(東歯大名誉教授)を演者に迎え行われた。氏はまず、肉芽組織の特徴や形成の機序、血餅との関連などについて解説を行った。次に、臨床で用いられている“不良肉芽”という名称について、肉芽組織とは治癒する組織のことを指し、そこに不良も優良もないため、“不良肉芽”という名称は適切ではないと話した。また、肉芽組織の“治癒する組織”という意味により、「不良肉芽を除去しなくてもよい」という誤解が生まれる可能性を危惧し、誤解を避けるためには“不良肉芽”ではなく“慢性炎症組織”とよぶべきであるとした。

 症例を発表しディスカッションすることで、歯内療法の臨床における基礎をあらためて見つめなおすことのできる本会は、若手歯科医師だけでなく経験を積んだ歯科医師にとっても重要な学びの場になると感じられた。