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2022年4月29日

第7回日本アライナー医療研究会(JAMS)、Web配信にて開催

アライナー矯正歯科治療におけるリカバリーを中心に

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 さる4月29日(金)、日本アライナー医療研究会(槇 宏太郎代表)による第7回研究会が、土岐泰弘氏(三重県開業)の司会進行のもとWeb配信にて開催され、矯正歯科医120名が参集した。槇代表による開会の辞のあと、今回も同研究会が継続して扱っているアライナー矯正治療とリカバリーをテーマに、以下の症例供覧とディスカッションが行われた。

・「アライナー治療をアライナーもしくはその他の装置でリカバリーを行なった症例」吉村 博氏(大阪府開業)
・「上顎第二小臼歯を抜歯した事で部分ワイヤー装置によるリカバリーが必要になった2症例」牧野正志氏(千葉県開業)
・「歯列拡大と顔貌」時實千代子氏(大阪府開業)
・「“アライナー矯正(クリアコレクト)”による成人治療例」文野弘信氏(東京都開業)
・「苦手な移動に対する解決の糸」土岐泰弘氏(三重県開業)
・「非抜歯で治療を行ったが結局4本小臼歯抜歯を行った症例」福田哲也氏(石川県開業)
・「臼歯の離開に苦慮した症例―InvisalignとClearCorrectを併用したケース―」常盤 肇氏(東京都開業)

 このなかで牧野氏の講演では、やむを得ず第一小臼歯ではなく上顎両側第二小臼歯を抜歯箇所として選択した症例を2例提示した。アライナー矯正治療でもっとも頻繁に生じる問題の1つである臼歯部の近心傾斜について、大臼歯2本のコントロールなら3本より行いやすいかもしれないという可能性を考えたが、症例では予想以上に大臼歯が傾斜し、非常に複雑なコントロールを余儀なくされたという結果に至ったと解説した。

 また常盤氏の講演では、特性の異なる2種類のアライナーを動的治療とリカバリーで使い分けた症例について供覧された。

 こうした症例を前にしたディスカッションでは、上顎第一大臼歯の近心傾斜が起こりやすいという性質を考慮したメカニクスを矯正歯科医が考案する必要性や、アタッチメントの把持力は大きさに依存するのではないかという考察、アライナーの素材や厚みを必要に応じて変えることができるようになると良いという提案など、活発な議論がなされた。

 閉会にあたり槇代表は、「矯正歯科治療はさまざまなところで行われてはいるが、やはりアライナー、ブラケットを問わずまず診断が重要であり、専門教育を受けた矯正歯科医が患者とGPを助けていく必要と責任がある、そのためにはこうしたリカバリー症例の共有が今後も重要である」と締めくくった。

 日本アライナー医療研究会のホームページはこちら。