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2022年7月9日

第27回口腔保健シンポジウム開催

「今から始めるオーラルフレイル対策 ~私が守る! 100年health~」をテーマに

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 さる7月9日(土)、第27回口腔保健シンポジウム(日本歯科医師会主催、サンスター株式会社協賛)が、LUMINE 0(東京都)およびWeb配信のハイブリッド形式にて開催された。本シンポジウムは、1994年に開催された世界口腔保健学術大会における「口腔保健に関する東京宣言」を契機として毎年開催されているものであり、今年度は「今から始めるオーラルフレイル対策 ~私が守る! 100年health~」のテーマで開催された。

 開会後の会場では、3部構成で小山茂幸氏(日本歯科医師会常務理事)、平野浩彦氏(東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長)、大月基弘氏(大阪府開業)、宮崎美子氏(タレント)の4名を中心にトークが展開された。

 第1部「健康で噛める歯を残す! 歯周病予防最前線」では、大月氏より噛める歯を残すことの重要性と歯周病予防について解説がなされた。氏は、歯の本数が医療費と密接な関係にあることを示すエビデンスを紹介した後、「日本人が歯を失う最大の要因が歯周病であり、成人の約7割は歯肉に何らかの症状を抱えている」と説明。特に日本では、海外と比較して保険制度が充実していることもあり「歯科医院は痛くなってから行くもの」との認識が浸透している現状に警鐘を鳴らした。その後は、歯周病の進行メカニズムや歯周病と全身疾患とのかかわりを紹介し、歯肉炎の段階で治療することの重要性を強調。歯科医院に定期的に受診することや日々のセルフケアの大切さについてふれた。

 第2部「なぜお口の機能が大事なのか? お口の機能って何? 口腔機能維持最前線」では、平野氏より口腔機能について解説がなされた。氏は、口腔機能の衰えとして「噛めなくなる→柔らかいものを食べる→食べる機能の低下」といった負のサイクルを紹介。また、噛むために必要な側頭筋、咬筋を挙げるとともに舌の働きを説明し、咀嚼・嚥下、呼吸の機能も絡めた口腔機能の維持について詳説した。そして「オーラルフレイルは些細なことから始まり、フレイルの段階で自分事と思って対策を講じてもらいたい」と主張した。

 第3部「オーラルフレイル対策の実践」では、小山氏より具体的なオーラルフレイル対策について解説がなされた。氏は冒頭、オーラルフレイル対策に向けた官民共同事業の健康スマイル推進事業の取り組みについて紹介するとともに「口から衰えていくものの、復活するのも口から」と述べ、会場全体で口腔体操が行われた。そして「定期的に歯科医院に行って自分の歯を大切にしてほしい」との言葉が参加者におくられた。最後に、宮崎氏はこれまでの講演をうけ「自分に当てはまる項目が多くありました。自分でも改善できることに勇気をもらいました」とコメントした。

 その後、同会場にて「オーラルフレイル対策の最前線と国民皆歯科健診への期待と課題」と題したメディアセミナー(サンスターグループ主催)が行われ、盛会裏に終了した。