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2022年7月17日

日本アンチエイジング歯科学会矯正部会、スペシャルオンラインセミナーを開催

「話題のマウスピース型矯正装置による治療を検証する!~その治療に覚悟はありますか?~」をテーマに

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 さる7月17日(日)より、日本アンチエイジング歯科学会(松尾 通会長)矯正部会によるスペシャルオンラインセミナー「話題のマウスピース型矯正装置による治療を検証する!〜その治療に覚悟はありますか?〜」のWeb配信が開始されている。本セミナーは、普及の進むアライナー矯正治療の健全な発展の一助になるようにと企画されたものである。

 スペシャルスピーカーとして招聘された賀久浩生氏(東京都開業)は、「アナログからデジタルへシフトして変化した矯正歯科治療の考え方」と題し、小児患者の多い自院の矯正歯科治療をベースに、論文でアライナー型矯正装置が得意とする成長期の患者に対する治療について確認しながら、アライナー矯正治療を導入していった経緯を述べた。さらに実際の症例を交え、アライナー矯正治療にできること・できないこと、また補助装置との併用で広がる適応範囲について解説した。

 また、常盤 肇氏(東京都開業)は「失敗学から読み解くマウスピース型矯正治療の現在と未来」と題し、アライナー矯正治療のメリットとデメリット、アライナー矯正治療において起こる頻度の高い問題症例とそのリカバリー症例を示した。そのうえでアライナー矯正治療に必要なスキルとして、歯科矯正学的検査診断、適応症例の適切な選択、患者への十分な説明と同意、基本技術とリカバリー技術の習熟などを挙げ、慎重かつ十分な準備を経たうえでの導入・実践をするべきであるとした。

 そのほか、固定式矯正装置を中心に治療を行う矯正専門医の視点から見たアライナー矯正治療の現在と今後について竜 立雄氏(福島県開業)と香川正之氏(大阪府開業)が、アライナー矯正治療前に患者に説明・確認しておくべきガイドラインに基づいたインフォームドコンセントについて中島 健氏(大阪府開業)が、アンケートをはじめとする調査から読み解く日本のアライナー矯正治療の普及状況を坂本紗有見氏(東京都開業)が、それぞれ矯正専門医の立場から講演した。また薬機法管理者として荒川泰子氏(Yasuko Arakawa Consulting Office)が、アライナー矯正治療を手掛ける歯科医院のリスクマネジメントについて講演した。

 増加傾向にあるアライナー矯正治療を正しく学び、治療の質を上げることを目的とした本セミナーであるが、アライナー型矯正装置は万能ではないため、症例を選ぶ目が必要であること、治療計画に携わった歯科医師の知識や技量で結果が左右されること、事前の患者に対する説明の重要性などが共通して取り上げられていた。

 医療行為としての矯正歯科治療、アライナー矯正治療の現在と未来を改めて学び実感することのできる充実したセミナーとなった。

 配信は7月31日(日)まで。こちらから視聴申し込みが可能である。