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2022年7月28日

クインテッセンス出版株式会社、第26回WEBINARを開催

講師に平井友成氏、萬田久美子氏を招き盛会となる

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 さる7月28日(木)、平井友成氏(福岡県開業)、萬田久美子氏(フリーランス歯科衛生士)によるWEBINAR #26「その病変は本当にペリオ? これを聞けば迷わない、臨床現場での歯周ポケットへの対応for DH & DR」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは『DHとDRのための歯周ポケット鑑別ガイド その病変は本当にペリオ?』の内容をベースに行われた。

 まず、萬田氏は歯科衛生士が歯周治療を行ううえで注目すべき項目を解説。ペリオと見誤りやすい病変として1)エンド・ペリオ病変、2)咬合性外傷、3)歯根破折、4)セメント質剥離の4つを挙げ、これらの病変は深い歯周ポケットが共通して存在するため、多角的に見る目を養う必要性があると述べた後、各病変の臨床所見や鑑別のポイントを供覧した。また、歯根面への歯石の沈着の有無を探知する重要性を強調し、インスツルメント選択のポイントや自身の探知動画を示しながら、正しい操作方法についてわかりやすく説明した。

 次に、平井氏は診断・対応に苦慮するエンド・ペリオ病変について、1)エンド由来型、2)ペリオ由来型、3)エンド・ペリオ由来型の3つに分類して基本的な発生機序や治療方針を解説。特にエンド・ペリオ由来型の治療では、エンドファーストとなることを強調するとともに、根管治療終了後の歯周外科治療は、根尖病変の縮小を確認してから行うことを付け加えた。その後、症例を供覧しながら診断ポイントを示し、「確定診断に至らないケースについては、疑わしいところから最小限の介入による治療が重要」と治療を行ううえでの心構えにもふれるなど、患者ファーストの医療を推奨した。

 続いて、平井氏が提示した症例を供覧しながら両氏によるケースディスカッションが行われた。その中で萬田氏は、歯周治療の必要性が疑われるケースにおいて、歯科衛生士が歯科医師に伝えるべき臨床所見を平井氏に質問。平井氏は「歯周ポケットをていねいに測ること」、「問診で患者さんから細かな情報を集めること」を挙げ、「最終診断は歯科医師が行うが、歯科衛生士も仮診断をするくらいの心持ちで診ていただきたい」とコメントした。

 講演後の質疑応答では、セメント質剥離の治療方針などに関する質問が寄せられ、萬田氏、平井氏それぞれがわかりやすく解説。最後にはあらためて歯周治療における歯科医師と歯科衛生士の連携の重要性についてもふれ、歯科医師と歯科衛生士の両者にとって学びの多いセミナーとなった。
 
 なお、次回のWEBINAR#27は、きたる8月8日(月)、福場駿介氏(医歯大歯周病学分野特任助教)、斎田寛之氏(埼玉県開業)を招聘し、「エンド-ペリオの治療戦略」をテーマに開催予定である。申し込みはこちらから。