2009年2月11日
さる2月11日(水)、株式会社ヨシダ(東京都)にて、昭和大学・明海大学歯学部同窓会2008年度合同学術研修会が「自家歯牙移植」をテーマに開催され、月星光博氏(愛知県開業)による講演が行われた。
月星氏は、自家歯牙移植の「歴史」「創傷の治癒」「テクニック」「indications(適応症)」「フォローアップ(経過)」について詳細に説明。患者の年齢、歯根膜の健全度、歯根の形態、抜歯窩の有無から適応を厳密に選び、術者のフラップなどのテクニックに相応で、患者のコンプライアンスが得られれば、自家歯牙移植はほかの補綴法と比べても低コスト・短時間で予知性が非常に高い治療法であることが示された。
また、歯科用コーンビームCTを用いることで、移植後の歯髄・歯根膜・周囲骨の治癒が詳細に観察できることも、予知性を高めるのに一役買っている。
聴講者に若手の臨床家が多かったことは、インプラントが隆盛を極める一方で、保存できる歯は保存しようという近年の歯科界の潮流を反映しているようであった。