2023年3月14日掲載

「Shaping the Dental Future」をテーマに、162か国から約12万名の歯科関係者が参集

40th International Dental Show(IDS2023)、創設100周年を迎え盛大に開催

40th International Dental Show(IDS2023)、創設100周年を迎え盛大に開催
 さる3月14日(火)から18日(土)の5日間、ケルンメッセ会場(ドイツ・ケルン)において、40th International Dental Show(IDS2023、ケルンメッセ/GFDI〈歯科産業振興協会〉主催)が開催された。2年に一度開催される本デンタルショーは、今回創設100周年を迎え162か国から約12万名の歯科関係者(そのうち約60%が海外来場者)が参集。また、出展企業は60か国から1,788社に及び、世界の歯科のトレンドを占うとされる最大規模のデンタルショーは世界中から注目を集めた。

 記念すべき40回目となった本デンタルショーは、対面での展示形式に加えて前回コロナ禍で開催された際に好評を博したデジタルプラットフォーム「IDSconnect」が引き続き採用された。現地から配信されたライブ中継やオンデマンドのコンテンツなど、インターネットを活用した効率的な情報発信によって最新情報が入手可能となった。

 5日間にわたるハイブリット開催で終始賑わいを見せた会場内では、各社の展示ブースにおいて今回に合わせて初めて発表する最新の機器や材料など、展示や実演に注力している様子などがうかがえるとともに、来場者の興味や関心を集める工夫が随所で見られた。

 今回のトレンドとして、日本でも関心の高いデジタルワークフローに注目が集まっていた。各企業ともチェアサイドだけでなくラボサイドも含め、ハードウェアよりもソフトウェアのアップデートが目立っており、特にAIを活用した診断ならびに治療のシミュレーションや各デジタルデータとのマッチングによる治療計画の立案、クラウドを活用したデータの一元化など、今後の世界の歯科の潮流が先読みできる多岐にわたる内容となっていた。

 その一方で、革新的な新製品が少ないとの声も参加者から聞かれた。各社の研究開発においては新製品や新技術の開発を進めているなかで、医療機器指令(MDD:Medical Devices Directive93/42/EEC)に代わって2021年5月26日から適用となった欧州医療機器規則(MDR:Medical Device Regulation)の審査に基づくCEマーキングなどの認証が必要になったこともあり、その対応に追われていた(スタッフ、コスト、時間における負担増)ことも要因の1つとして挙げられるだろう。

 次回はきたる2025年3月25日(火)から29日(土)の5日間、同会場において開催される予定(なお、本デンタルショーのレポートは、小社発行の雑誌などに掲載予定)。

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