2023年4月11日掲載

「インプラント・はじめの一歩 ~安心安全に行うインプラント埋入の勘所とメインテナンスシステムの重要性~」をテーマに講演

クインテッセンス出版株式会社、第37回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第37回WEBINARを開催
 4月11日(火)、木原綾子氏(福岡県勤務)、林 美穂氏(福岡県開業)によるWEBINAR#37「インプラント・はじめの一歩 ~安心安全に行うインプラント埋入の勘所とメインテナンスシステムの重要性~」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本セミナーは、「ザ・クインテッセンス2023年1月号」、『OJのスペシャリストたちがおくる インプラント 基本の「き」』の内容をベースに行われた。

 木原氏は導入として、インプラントを構成する1)上部構造、2)アバットメント、3)インプラント体――3つの基本構造を解説。なかでもインプラント治療の成功に不可欠なオッセオインテグレーションに関与する要素として、インプラント体の表面性状やストレートタイプとテーパードタイプからなる外形、連結システムについて説明した。また、安全にインプラント治療を行うために患者さんの全身状態や局所状態を把握する必要性を挙げたほか、天然歯の喪失要因や骨量・骨質など、診査・診断のポイントを詳説した。

 次に、ザ・クインテッセンス誌に掲載された症例を供覧するとともに、選択したアプローチ方法を披露。そして、さらなるレベルアップには、先達のフィードバックを得るための臨床データの記録を残すことが重要であると述べた。

 続いて、林氏は木原氏が解説したインプラントの構造について、ティッシュレベルとボーンレベルそれぞれの特徴や適応症例を挙げながら補足説明した。ティッシュレベルインプラントは、マイクロギャップが骨レベルに存在しないため骨吸収が起こりづらく、歯周病リスクが低い利点がある一方で、クリアランスが少ない部位や審美領域に埋入する場合は十分に検討したうえでの選択を促した。ボーンレベルインプラントは、マイクロムーブメントによる微少漏洩が起こりづらく、なかでもプラットフォームスイッチングによる骨吸収の少ない利点を説明するなど、インプラントの特徴を理解した適応症の選択の必要性についてわかりやすく解説した。

 その後は、インプラント埋入における要点に言及。抜歯後の骨吸収を最小限に抑えるためにリッジプリザベーションを行うことや、サージカルガイドの活用、切開線の入れ方、手術の事前準備の徹底など、安心・安全なインプラント治療を行うためのアドバイスを送った。

 講演後の質疑応答では、喫煙患者のインプラント治療の是非や、供覧症例における最終補綴装置のマテリアルの選択理由について質問が寄せられ、両氏はていねいに回答。本セミナーは、インプラント治療の経験の浅い参加者やこれから導入を検討する歯科医師にとって学びの多い内容となっていた。

 なお、次回のWEBINAR#38は、きたる5月22日(月)、丹野 努氏(栃木県開業)を招聘し、「オルソインプラントセラピーの実践」が開催予定である。申込みはこちらから。

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