2023年5月26日掲載

「『歯周病』を語ろう! ~その原点から未来へ~」をテーマに

第66回春季日本歯周病学会学術大会開催

第66回春季日本歯周病学会学術大会開催
 さる5月26日(金)、27日(土)の両日、レクザムホール(香川県県民ホール)およびJRホテルクレメント高松(ともに香川県)において、第66回春季日本歯周病学会学術大会(湯本浩通大会長、沼部幸博理事長)が「『歯周病』を語ろう! ~その原点から未来へ~」をテーマに開催された。なお、本大会は、きたる6月20日(火)から7月20日(木)の約1か月間、オンデマンド配信予定となっている。

 本大会では2日間にわたり、特別講演、シンポジウム、市民公開講座、一般演題口演、ポスター発表、ランチョンセミナーなど多数のプログラムが組まれた。

 歯科衛生士シンポジウム「中年期・高齢期の歯周病対策の重要性」では、日野出大輔氏(徳島大教授)の座長のもと、佐原久美子氏(歯科衛生士、徳島大)、川柴 淑氏(歯科衛生士、徳島県歯科衛生士会)、佐久間 愛氏(歯科衛生士、麻生歯科クリニック、徳島大)がそれぞれ講演を行った。なかでも佐原氏は「高齢者を対象とした疫学研究から」の演題で、自身が行った調査結果をもとに、中年期・高齢期での歯周病対策の重要性について解説した。研究の対象であった75歳時点での口腔内状態がその後の健康状態に影響を及ぼすということから、それよりも早い段階の中年期から口腔管理、とくに歯周管理をしっかりと行い、自分の歯を保つことの大切さを認識しておくこと、セルフケアに対する知識技術を高めておくこと、プロフェッショナルケアを受ける習慣を身につけておくことが大切であると述べた。

 また、歯科衛生士教育講演では、渡部 茂氏(明海大教授)が「歯科衛生士に必要な唾液の知識」と題し登壇。唾液がどのように口腔の健康を維持しているのかについて、嚥下の仕組みや脱灰・再石灰化などのメカニズムも含めて詳説。なかでも、口腔内のpHコントロールについて、歯の天敵は酸だが、アルカリ性になると歯石などが沈着しやすくなるため、いかに口腔内を中性にコントロールするかが重要であると述べた。

 なお、次回の第66回秋季学術大会は、きたる10月13日(金)、14日(土)の両日、出島メッセ長崎(長崎県)において、吉村篤利大会長(長崎大教授)のもと「グローカルな歯周治療」をテーマに開催予定。

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