2023年5月28日掲載

約50名が参集、企業展示も多数行われる

2023年度第1回日本臨床歯科学会名古屋支部学術大会開催

2023年度第1回日本臨床歯科学会名古屋支部学術大会開催
 さる5月28日(日)、栄ガスビルガスホール(愛知県)において、2023年度第1回日本臨床歯科学会名古屋支部学術大会(榊原 亨支部長)が開催され、約50名が参集した。

 会場では冒頭、榊原支部長の挨拶に続き、会員発表3題、歯科衛生士部会発表1題、歯科技工士部会発表1題、そして教育講演として1題が行われた。以下に演者・演題を示す。

・会員発表
「審美的回復を可及的に考慮し、咬合再構成を行った1症例」小澤謙盛氏(愛知県開業)
「咬合再構成においてOptimalな治療を模索した1症例」藤原光秀氏(愛知県勤務)
「臼歯部咬合支持を喪失した患者に対して可撤性義歯にて治療を行った1症例」大島靖弘氏(愛知県勤務)

・歯科衛生士部会発表
「軽度インプラント周囲炎患者の訪問施設での現状」藤井みずき氏(歯科衛生士、藤井歯科医院)

・歯科技工士部会発表
「少数歯修復の診断用Wax up(患者との予後を見据えたリスク共有)」柴田昌宏氏(歯科技工士、Dental Lab. SCALA)

・教育講演
「診査、診断、治療計画 で、どうする?」水野直紀氏(愛知県開業)

 会員発表の3題は気鋭の若手演者らによる発表。いずれも大規模な咬合再構成症例を題材に、検査・診断の過程から得られた病因の考察や治療計画の立案、およびインプラントやコーヌス義歯などを駆使したそれぞれのアプローチによる補綴治療の過程を示した。

 また歯科衛生士部会発表は、近年問題となっている要介護患者のインプラントのメインテナンスについて。症例を交え、インプラント補綴治療を受けた患者が要介護となり直面している問題や歯科医院の構造的問題、また介護施設におけるメインテナンスの方法や外来で通院できる時期から要介護期を見据えた対策が必要となることなどを訴えた。

 続く歯科技工士部会発表では、1つの症例に対してアナログとデジタルでワックスアップを行った症例を提示。特にデジタル工程の解説では、バーチャル咬合器上でのエステティックバーの使用法やHTMLファイルを用いた3Dデータの歯科医師や患者との共有法などについて示した。

 そして教育講演では、治療途中での転院を繰り返してきた患者を題材とし、そこに潜む問題点と対策をわかりやすく提示。歯科医療者がプロの用語で行う説明は患者には非常に伝わりにくいこと、患者の希望と実際に提供できる治療内容をすり合わせて術前から患者が納得できるゴールを設定することの必要性などを、治療中の患者の転院はどの歯科医師にとってもすぐ隣にあるリスクであることを強調しつつ示した。

 なお、会場では協賛企業からの展示も多数見られ、終始盛況となっていた。

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