2023年5月31日掲載

「補綴歯科専門医制度」が正式認定

(公社)日本補綴歯科学会、令和5年度第3回プレス説明会を開催

(公社)日本補綴歯科学会、令和5年度第3回プレス説明会を開催
 さる5月31日(水)、公益社団法人日本補綴歯科学会(馬場一美理事長)による令和5年度第3回プレス説明会が、Web配信にて開催された。本説明会は、24日に行われた一般社団法人日本歯科専門医機構(今井 裕理事長)の理事会において「補綴歯科専門医制度」が正式認定されたことにともない開催されたもの。

 冒頭、馬場氏より専門医制度の基本理念について解説がなされ、専門医制度は専門医の質の保証・維持とともに、患者さんが受診先を決めるうえでの指標として機能する患者さんのための制度であることが強調された。また、専門医の更新要件および認定基準の追加事項として、診療活動実績の証明に必要な症例経験数や日本歯科専門医機構認定の研修会の受講が定められたことが説明された。

 続いて、河相安彦氏(修練医・認定医・専門医制度委員会委員長)より、これまで学会認定専門医として本会単独で認定されていた形式から、日本歯科専門医機構による認定専門医となることによる認定プロセスの変更点が説明された。補綴歯科専門医の認定は、特定非営利活動法人日本顎咬合学会(黒岩昭弘理事長)と共同運用され、双方の理事会での承認後、日本歯科専門医機構の審査を経て承認されることが解説された。

 また、今後の展望として、「補綴歯科」というワードが国民にとって一般的な言葉として認知されるような周知活動や、大学をはじめとする教育機関が不足している地域において、地域の歯科診療所を研修機関として認定することなどが検討されていることが述べられた。

 2002年に標榜が可能になった先行の5つの領域(口腔外科、歯周病、小児歯科、歯科麻酔、歯科放射線)の専門医制度から、20年来ぶりに新領域における専門医が誕生した。専門医活躍の場の必要性が叫ばれる昨今、今後他の領域における専門医の誕生に期待が高まる。

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