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2023年8月20日掲載

「ライフステージを考慮した歯周治療~中年期~」をテーマに

日本臨床歯周病学会関東支部、第94回教育研修会・第40回歯科衛生士セミナー合同研修会を開催

日本臨床歯周病学会関東支部、第94回教育研修会・第40回歯科衛生士セミナー合同研修会を開催
 さる8月20日(日)、一橋大学一橋講堂(東京都)およびWeb配信において、日本臨床歯周病学会関東支部第94回教育研修会・第40回歯科衛生士セミナー合同研修会(神山剛史支部長)が「ライフステージを考慮した歯周治療~中年期~」をテーマにして開催された。

 今期の関東支部では、支部長の神山剛史氏(埼玉県開業)のもと、歯周治療を、1)若年期、2)中年期、3)高齢期、4)老年期・フレイル期に分けて、2年間にわたり各年代へのアプローチを掘り下げていくものとなっており、今回がその第2回目となる。今回は、会員発表8題(歯科医師4題、歯科衛生士4題)と文献委員会による講演、特別講演、また今回が初の試みとなる学生プログラムとして「歯周病ワークショップ」が行われた。会員発表の演題・演者を以下に提示する。

【歯科医師】
「中年期の侵襲性歯周炎患者に対し歯周治療を通じて患者意識の向上を感じた7年経過症例」平井 亮氏(千葉県勤務)
「支持組織の減少した上顎臼歯部への歯周補綴症例」竹中宏隆氏(東京都開業)
「患者のライフステージを考慮し、共に歩んだ歯周治療」浅賀庸平氏(埼玉県開業)
「重度関節リウマチ患者の重度歯周病症例」楠 公孝氏(長野県開業)

【歯科衛生士】
「歯周基本治療で対応した広汎型慢性歯周炎ステージⅢグレードBの一症例」西田幸恵氏(歯科衛生士、荻窪わかまつ歯科)
「歯周基本治療を再考した一症例」疋田莉恵氏(歯科衛生士、吉野歯科医院)
「禁煙や治療中断をのりこえ、包括的に歯周病治療を行った一症例」師岡祐子氏(歯科衛生士、斉田歯科医院)
「歯科恐怖症の広汎型中等度慢性歯周炎患者への対応」野谷繭子氏(歯科衛生士、中野駅南歯科クリニック)

 次に文献委員会の委員である、長嶋秀和氏、後藤弘明氏(ともに東京都開業)によって、「分岐部病変とメインテナンスについての文献レビュー」と題した講演が行われた。

 最後に特別講演として、日本臨床歯周病学会九州支部から水上哲也氏(福岡県開業)、下田裕子氏(歯科衛生士、水上歯科クリニック)を招聘し、「高齢期・老年期の『健口』ライフを支える中年期の歯周治療」の演題で講演が行われた。両氏は、中年期の歯周治療では患者の「身体、心理、経済、家庭、仕事」の5つに配慮することが重要であると述べ、さまざまな長期症例にその5つを当てはめ、その対応方法を詳説した。まとめとして、中年期は、重症化予防、病変の改善、再発予防に努めるステージであることを示し、「積極的な治療介入が功を奏しやすい」「経済的負担に配慮して段階的な治療を考慮する」「更年期の歯周病患者の場合、心理状態をより鑑みる」、以上のことを念頭に置いて治療を行うことを推奨した。

 本会では中年期の歯周治療において、歯科医師と歯科衛生士がどのような治療、対応を行っていくべきかの臨床ヒントを多く得ることができる会となっていた。次回は、きたる2024年4月14日(日)に石川知弘氏(静岡県開業)を招聘し、東京都内で開催される予定である。

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