2023年8月27日掲載

水上哲也氏と各スタディグループから若手8名が登壇

第9回NDCミーティング開催

第9回NDCミーティング開催
 さる8月27日(日)、八重洲博多ビル(福岡県)において、第9回NDC(new dawn dentist conference)ミーティングが開催された。本会は、九州を中心とする各地のスタディグループが交流し、次世代を担う歯科医師が症例発表などをとおしてディスカッションや情報交換を行うことを目的に設立されたもので、コロナ禍以来、実に4年ぶりとなる。今回は8団体から発表者を立て、参加者85名を集めて盛会となった。

 はじめに、水上哲也氏(福岡県開業、JUC名誉会長)が登壇し「進化する再生術式とどう向き合うか」のタイトルで基調講演を行った。さまざまなパターンの再生療法について、切開デザイン、フラップデザイン、また歯間乳頭の温存方法を動画で説明した。加えて、上述の切開およびフラップデザインが一目で感覚的に理解できる、自身で作成されたオリジナルのイラストも用いてわかりやすく解説した。後半はインプラント周囲炎の再生療法についても言及し、ノンサブマージドタイプ(上部構造を外さない)とサブマージドタイプに分類して、それぞれの欠損に対するアプローチ方法を示し、「再生療法の進化により10年前に考えられていたほどインプラント周囲炎は悲劇的なものではなくなってきた」と結んだ。

 その後は各グループを代表して気鋭の歯科医師8名による講演が行われた。以下に座長、演題および演者、所属団体を示す。

発表(1)、(2) 座長:松延允資氏(福岡県開業)
「全身疾患と歯周治療 ~歯科医科連携の重要性~」鈴木泰二氏(東京都開業、JUC)
「重度歯周炎への治療アプローチを考える」萬代千恵氏(福岡県開業、WDC)

発表(3)~(5) 座長:平井友成氏(福岡県開業)
「根尖孔への到達が困難な根管に対し超音波チップを用いて根管の穿通を図った2症例」森 竜文氏(長崎県開業、二曳会)
「コンポジットレジン修復の様々な臨床応用~発想の転換~」力丸哲哉氏(福岡県開業、北九州歯学研究会)
「犬歯を含む3歯連続欠損に可撤性ブリッジで対応した症例」井口佳大氏(熊本県開業、KDM)

発表(6)~(8) 座長:渡邉祐康氏(熊本県開業)
「デジタル化によるCAD/CAMを使った歯科技工の変化」山本修平氏(リープデンタルアソシエイト、示現会)
「不安定な顎位と不整な咬合平面を有する患者に対しデジタル技術を活用し咬合再構成を行なった一症例」木村正人氏(岡山県勤務、日本臨床歯科学会 福岡支部)
「天然歯とインプラントの共存のための口腔内マネジメント」木村 誠氏(福岡県開業、ADSCO)

 発表ごとに質疑応答の時間が設けられ、会場や座長、そして水上氏からも質問が発せられ、活発な意見交換がなされた。ときには異なる考え方をもつスタディグループが一堂に会し、議論を深め切磋琢磨する場としての役割も担うNDC。次回の第10回ミーティングは、来夏開催される予定である。

関連する特集