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2023年10月25日掲載

「The future of Orthodontics」をテーマに

GREEN’S ORTHO、3Dプリンタを用いたインハウスアライナー矯正治療について学ぶセミナーを開催

GREEN’S ORTHO、3Dプリンタを用いたインハウスアライナー矯正治療について学ぶセミナーを開催
 さる10月25日(水)、セミナー「The future of Orthodontics」(GREEN'S ORTHO主催、小松昌平代表)がWeb配信にて開催され、180名以上が参集した。

 GREEN'S ORTHOでは、近年の技術革新にともなって矯正歯科治療を行う歯科医師や場が多くなっている一方、治療の質が問題視されている現状に対し、若手世代のための学びの場としてベーシックな矯正歯科関連コンテンツをオンラインで発信し、矯正歯科界を明るく正しい未来へと導くことをミッションとしている。

 今回はまず赤間康彦氏(福岡県勤務)がミニ講義「3D printerの基礎知識」を行った。赤間氏は「3Dプリンタとは」「造形方法について」「STLデータについて」「CADについて」「3Dプリンタの活用事例」とトピックを分け、3Dプリンタの概要を解説した。次の講演を前に、3Dプリンタについて理解する有用な時間となった。

 次に平岡孝文氏(東京都開業)が講演「“ノーモアLCM”DIY Orthodonticsの現在地とその未来~矯正歯科医がデザイナーとなる時代~」を行った(※LCM=ローコストマウスピース)。本講演では、「あくまでここで説明するのは治療法ではなく、3Dプリンタによって内製化することができるようになった矯正装置のデザインや製作方法についてである」と断りつつ、AM技術(積層造形法)によって可能になった矯正装置の内製化について解説された。海外の矯正歯科関連学会ではすでに3Dプリンタを活用したインハウス矯正治療がセッションのメイントピックとなるほど普及していることや、インハウスアライナー矯正治療において必要、あるいはすぐれていると思われるスキャナー、3Dプリンタなどの機材やソフトウェア、シートの材料、さらに今後の展望が解説された。インハウスアライナー矯正治療の利点は「ダイレクトで迅速なプランニング(治療変更が容易、紛失などのトラブルに柔軟に対応できる)」「製作コストの削減」「多様なシート材料を使うことができる」「迅速なデリバリー」「環境負荷の軽減」とし、自身が2019年から開始し、現在全症例の15%をインハウスアライナー矯正治療が占めていると解説された。またブラケット製作についてもふれながら、こうしたインハウス矯正治療には歯科技工士と歯科医師の連携が欠かせず、歯科技工士にはぜひ矯正歯科の世界に飛び込んできてほしいとメッセージを送った。

 平岡氏は「デザインは問題を解決するものでなければならず、われわれはデザイナーとならなければならない。また、たとえばメタバースの世界のなかでコミュニケーションをとりながら医療が進められるなど、これまで考えられなかった世界になるかもしれない。今後われわれはどこへ向かうのかという想像力が必要である」旨が述べられ、講演が締めくくられた。

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