2023年11月3日掲載

「超高齢社会における歯科技工士の役割と連携」をテーマに

日本歯科技工学会第45回学術大会開催

日本歯科技工学会第45回学術大会開催
 さる11月3日(金)、4日(土)の両日、電気ビル共創館(福岡県)において、日本歯科技工学会第45回学術大会(2023年度九州・沖縄支部学術大会併催、澤瀬 隆大会長、石川功和会長)が開催され、331名(うち、学生106名、台湾からの参加者23名を含む)を集める盛会となった。

 1日目には開会式に先駆け、専門歯科技工士講習会として金谷 貢氏(新潟大大学院医歯学総合研究科生体組織再生工学分野)による「コンピュータシステム活用法としての戦略的情報システムの事例」、開会式後は基調講演として澤瀬大会長(長崎大生命医科学域口腔インプラント学分野)による「超高齢社会における歯科技工士の役割と連携」、その後、シンポジウム1「超高齢社会での歯科界の取り組み」では、河原英雄氏(大分県開業)による「超高齢社会での歯科界の取り組み」、今橋和宏氏(歯科技工士、ワールドデンタルラボラトリー)による「河原セミナーを通して学んだこと」、大浦清範氏(歯科技工士、オーケイ・ラボセンター)による「歯科医師の先生方とともに噛める義歯を目指して」、成相友佳氏(福岡県開業)による「マウント咬合調整で噛めない入れ歯ゼロ」、シンポジウム2「多職種連携におけるデジタルの活用」(一般社団法人日本デジタル歯科学会共催)では、若林侑輝氏(歯科技工士、北海道大学病院医療技術部特定技術部門生体技工部)による「北海道大学病院での多職種連携における歯科技工士の役割」、そして最後に疋田一洋氏(北海道医療大歯学部口腔機能修復・再建学系デジタル歯科医学分野)による「デジタル技術で変わる歯科医師と歯科技工士の関係」が行われた。

 2日目は、シンポジウム3「摂食嚥下リハビリテーションにかかわる歯科技工士の役割」では一志恒太氏(歯科技工士、福歯大医科歯科総合病院中央技工室)による「摂食嚥下障害患者の治療における歯科技工士の立ち位置と可能性」、谷口祐介氏(福歯大咬合修復学講座口腔インプラント学分野)による「摂食嚥下リハビリテーションにおけるデジタル歯科技工の有用性について ―補綴・インプラント専門医の視点から―」、外口晴久氏(歯科技工士、トグチ・メディカル・ラボ)による「歯科技工士にとっての摂食嚥下を考える」、濱川幸世氏(言語聴覚士、久留米大医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座)、企画講演1では岩城謙二氏(歯科技工士、Dental Labor IDT)による「患者様の笑顔のために義歯専門歯科技工士のできること」が行われ、そして最後に企画講演2として柿本和俊氏(大歯大医療保健学部口腔工学科)が「利益相反と学術研究」と題して登壇した。

 本学会は、大会テーマからもイメージされる総義歯の話題はもちろん、より学際的な見地からの摂食嚥下や高齢者歯科学知識や学会発表に欠かせない利益相反の知識、そして最先端のデジタル技術を活かした多職種連携に至るまで、現在および将来を見据えた演題が並ぶ回となっていた。また、ランチョンセミナー2題、デモンストレーション5題、テーブルクリニック4題も併せて行われ、こちらも盛況となっていた。

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