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2009年3月8日

第24回 日本国際保健医療学会東日本地方会開催

口腔保健の重要性が改めて認識される

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 さる3月8日(日)、国立国際医療センター(東京都)にて、第24回日本国際保健医療学会東日本地方会(深井穫博大会長)が「健康の創造と口腔保健」をテーマに開催された。本学会で口腔保健をテーマにした開催は初の試みであり、歯科以外の国際保健関係者も含め、154名が参集した。

 午前の部は、国際保健全般にかかわるプログラムが企画され、ユースフォーラム、一般演題(口演)、および「感染症と保健システム」に関するワークショップが開催された。ユースフォーラム第1部のワークショップ「コミュニティ・ヘルスとプライマリ・ヘルス・ケア」では、仲佐 保氏(国立国際医療センター国際医療協力局)が、プライマリ・ヘルス・ケアの概念を解説し、海外での活動におけるその意義について語った。

 第2部の講演・パネルディスカッション「地域と世界、今こそ協力の時―日本のコミュニティ・ヘルスとグローバル・ヘルスの対話―日本・海外の地域保健の経験から学ぶ〜パートナーシップ構築の意義」では、本田 徹氏(国際保健協力市民の会SHARE代表理事)、色平哲郎氏(佐久総合病院地域医療部地域ケア科、医師)が、海外および日本で実践してきたコミュニティ・ヘルス活動を回顧し、今後の地域保健の可能性を述べた。

 午後の部では、参会者全員が一会場に集まり、シンポジウム 「国際保健における健康の創造と口腔保健」が行われた。石井 明氏(日本国際保健医療学会理事長、自治医大名誉教授)の座長のもと、「口腔保健に関わる世界的動向」と題して宮崎秀夫氏(新潟大大学院口腔保健科学講座教授、WHO口腔保健協力センター長)が基調講演を行った。

 その後のパネルディスカッション「国際保健医療協力における口腔保健プログラムを考える」(座長:深井穫博大会長)では、発展途上国における国際保健医療協力のなかで、口腔保健プログラムはどのように考えられたかについて歯科関係者および歯科以外の領域の専門家から事例が紹介され、口腔保健プログラムの特性と今後の展開について、フロアからの発言も得て議論された。

 口腔保健について、国際保健に関わる多分野の関係者が議論する場が少ない現状に鑑み、今後の展開と課題について意見を共有する、という主旨のもとに開催された本大会。参加者の中でも、とくに歯科以外の国際保健関係者から「口腔保健の重要性を改めて認識させられた」、という声が多く聞かれるものであった。