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2009年6月28日

日本成人矯正歯科学会第17回大会

「高齢化に対応した長期安定を目指した矯正歯科治療」をテーマに盛大に

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 さる6月28日(日)、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)において、日本成人矯正歯科学会第17回大会(佐藤元彦理事長、有本隆行大会長)が「高齢化に対応した長期安定を目指した矯正歯科治療」をテーマに盛大に開催された。

 今大会では、特別講演「Quality and Stability in Adult Orthodontics」(Dr. Brian Preston、ニューヨーク州立大バッファロー校教授)、「矯正治療と患者の心理」(川本達雄大歯大名誉教授)、「顎関節症患者に対する矯正歯科治療―長期経過例―」(田中栄二徳島大教授)の3題、依頼講演「Beautiful Agingのための矯正歯科治療」(黒田康子氏、大阪府開業)、「成人矯正における歯槽骨改造を伴う急速矯正治療の応用」(浦野 智氏、大阪府開業)の2題のほか、ドクター・コ・デンタル講演5題、口演2題、学術展示、コ・デンタル学術展示、症例展示など、多くの演題が披露された。

 依頼講演に登壇した浦野氏は、the Quintessence誌上でもすでに2回ほどPAOOの論文を発表しているが、術式の華やかさや治療期間の大幅な短縮ということもあって、若手臨床家がこの手技を安易にとらえていることを危惧し、「歯周治療と矯正治療の関係」、「PAOOの歴史的背景と特徴」、「PAOOの臨床例」といった順に講演を進行。あくまでも矯正専門医とのディスカッションの重要性、歴史的背景を理解してからの術式の適応という点を強調していた。

 また、特別講演で登壇した田中氏は、顎関節症患者が成人矯正歯科治療の新しいマーケットになりうるとの考えから、顎関節症患者に対して、安定した咬合状態の確立と顎関節に対する異常あるいは過酷な負荷の除去または軽減を達成するために、「矯正臨床家にとって顎関節症の知識がなぜ必要か」の視点に立ち、長期経過症例を用いて解説した。

 これも1つのブームなのか、浦野氏のPAOOの講演のほかにもコルチコトミーを扱う演題が多数見受けられた。また、歯科衛生士や歯並びコーディネーターなどのコ・デンタルスタッフ向けに、他分野から演者を招聘した演題は好評を博していた。