Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2009年7月25日

第22回日本顎関節学会総会・学術大会と第14回日本口腔顔面痛学会総会・学術大会併催

大会テーマに「科学的根拠に基づく顎関節症の治療と教育プログラム

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる7月25日(土)、26日(日)の2日間、タワーホール船堀(東京都)において、第22回日本顎関節学会総会・学術大会(福島俊士大会長)と第14回日本口腔顔面痛学会総会・学術大会(杉崎正志大会長)が「科学的根拠に基づく顎関節症の治療と教育プログラム」のテーマのもと、盛大に併催された。なお、日本口腔顔面痛学会は、口腔顔面痛学会とThe Japan Academy of Orofacial Painが合併し、本年4月に新体制で発足したもの。

 今大会では、特別講演「Novel insights into mechanisms neuropathic pain reveal treatment strategies」(Igor Spigelman氏、UCLA教授)、会長招待講演「Current status of research and clinical work on temporomandibular disorders in China」(Hong Chen Liu氏、Chinese Society of TMD & Occlusion教授)、メインシンポジウム1「顎関節症の教育カリキュラムの立案」(福島俊士座長)、メインシンポジウム2「変形性顎関節症に継発する開咬への各科の対応」(矢谷博文座長)、シンポジウム3題のほか、教育講演1題、学術奨励賞受賞講演1題、イブニングセミナー1題、ランチョンセミナー2題、市民公開講座1題、一般口演45題、ポスター発表92題などが行われた。

 演題のなかには、3DXなどの画像診断のマテリアルについての一般口演があり、下顎頭の位置異常、関節円板転位などの診断は確実に進歩している様子がうかがえ、顎関節症に対する診断という意味では学術的な発展を垣間見ることができた。また、メインシンポジウム2「変形性顎関節症に継発する開咬への各科の対応」では、補綴、矯正、放射線などの立場からの発言により、大学教育の現場で一貫したカリキュラムが存在しないことも浮き彫りになった。歯科医師国家試験ではコンスタントに顎関節症が出題されていることを考えても、素早い対応が望まれている。

 昨年の大阪での大会では「ガイドライン作り」がメインシンポジウムになっていたが、今回はとくに演題には見受けられなかった。メインテーマにもあるように、教育面と合わせていち早い対応を望むとの声も聞かれた。