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2009年10月11日

日本歯周病学会2009秋季学術大会(第52回)開催

「未来を展望する歯周病治療」を大会テーマに1,500名が参集

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 さる10月11日(日)、宮崎観光ホテル(宮崎県)において、日本歯周病学会2009秋季学術大会(第52回)が開催された(前田勝正大会長、伊藤公一理事長)。本大会のテーマには「未来を展望する歯周病治療」を掲げ、1日のみの開催にもかかわらず、歯科衛生士も含めて約1,500名の参加者で賑わいをみせた。

 今大会では、特別講演「糖尿病の合併症としての歯周病の可能性」(野口俊英氏、愛知学院大教授)、「最近の歯周治療の傾向」(船越栄次氏、福岡県開業)の2題、臨床セミナー「基本から学ぶ歯周形成外科」(水上哲也氏、福岡県開業)、シンポジウム「炎症反応の視点に立って歯周病細菌を再考する」(モデレーター:西原達次氏、九歯大教授)、「歯周組織の免疫応答から考える全身への影響」(モデレーター:山崎和久氏、新潟大教授)の2題、認定医・専門医教育講演、歯科衛生士教育講演「歯科から始める禁煙支援」、倫理委員会企画講演、口腔インプラント委員会企画講演、市民公開講座、ランチョンセミナー3題、一般演題ポスター約80題、臨床(認定医・専門医)ポスター約30題、歯科衛生士症例ポスター約20題など、盛りだくさんな内容が披露された。

 特別講演の2題のテーマは糖尿病と歯周外科で、前者は2001年のTaylor GW以降の比較的新しい文献を解説。歯周病と糖尿病の関連はある程度は把握されてきているものの、内科(医科)と歯科の連携をとった大規模な介入試験の必要性とその困難さにふれられた。後者では、おもに歯周外科の歴史(変遷)から現在のエムドゲイン応用までを振り返るとともに、自身の診療所で行われた再生療法の症例を数多く閲覧された。

 以前は日本歯周病学会=大学人、歯周病談話会(現日本臨床歯周病学会)=臨床家という趣が強かったが、現在は学会の理事をはじめ多くの臨床家が要職を務めるほどになり、両学会の垣根は感じられなくなった。また演題も基礎実験、臨床実験の報告のみならず、臨床的な話題が多くなりつつある。