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2010年4月24日

第3回WDC総会・講演会開催

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 さる4月24日(土)、25日(日)の両日、福岡市歯科医師会館(24日)および株式会社ヨシダ福岡営業所(25日)において、「第3回WDC総会・講演会」(林 美穂会長)が開催された。WDCとは「Woman Dentist Club」の略称であり、2009年4月に女性歯科医師の医療技術の研鑽、および今後の歯科界を担う女性歯科医師の育成を目的として設立されたスタディグループである。同グループには現在、東日本支部と西日本支部あわせて100名あまりの会員が在籍しており、専門分野や勤務/開業を問わず各地の女性歯科医師の注目を集めている。

 初日にはまず、総会として各種会務事項が上程・可決された後、吹譯景子氏(高橋歯科医院、九大歯学部口腔顎顔面病態学講座特別研究員)が「とっつきやすい 歯の発生学のはなし」と題して登壇。「歯はなんで決まったところに生えてくるのか?」「それぞれの歯はどうやって形作られるのか?」「発生からみた再生医療」の3点を軸に、一般臨床ではさほど顧みる機会のない人体および歯の発生機序について詳説。研究と臨床を並行して行う立場から、こうした知識が今後の再生医療の動向をつかむために欠かせないことをわかりやすく訴えた。また、会場ではひきつづき「当院における歯周病治療の反省と課題」と題して椋 由理子氏(むくのき歯科)が、「歯科治療におけるマイクロスコープの有効性」と題して中山雅恵氏(東京都開業)が、「診査・診断のできるGPを目指して 歯周治療をベースにした開業1年目の取り組み」と題して岩崎由美氏(鹿児島県開業)が、そして「前歯部の単独欠損症例に対する一考察」と題して成川史子氏(東京都開業)が登壇した。

 その後2日目には、宮本泰和氏(京都府開業)を招聘しての特別講演「Enjoy Perio! ―楽しく学ぶペリオのラーニングステージ」が開催された。氏が理事長を務めるスタディグループ「JIADS」のコンセプト「概念化〔conceptualization〕」「予知性〔predictability〕」「永続性〔longevity〕」の紹介にはじまり、ラーニングステージに応じた歯周治療の概念とその実際について6時間にわたって講演。歯周外科処置においてはまず切除療法をマスターし、その後再生療法・インプラント治療に進んでいくことの重要性を訴えた。

 近年では女性歯科医師が非常に増加しているが、彼女らをとりまく環境には未だ独特の障壁が残っていることは事実である。今後とも、本グループがその障壁を取り払うきっかけになることに期待したい。なお、次回の総会は本年11月に開催予定とのこと。