Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2010年9月26日

愛知学院大学歯学部同窓会ポストグラディエートコース第5回講演が開催

中村健太郎氏の講演に200名以上が参加

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる9月26日(日)、愛知学院大学歯学部楠元学舎(愛知県)において、愛知学院大学歯学部同窓会ポストグラディエートコース第5回講演(同実行委員会主催、増田浩男実行委員長)が開催された。講師には、本学の同窓生でもある中村健太郎氏(補綴臨床総合研究所所長)が招かれ、「補綴臨床のStep Up講座―患者本位の咬合を求めて―」と題された本講演会には、200名以上の参加があり、会場を急遽大講堂に変更するほど盛会となった。

 まず午前の部は「理論編」と題して、いわゆる「咬合診断」「咬合治療」の問題点について言及。これら2つの用語の正式な定義と解説が存在しないまま、あいまいな咬合治療が行われている現状に警鐘を鳴らすとともに、科学的根拠をもって機能的正常咬合を求める重要性を説いた。そのなかで、氏が(株)松風と開発中の「咬頭嵌合位解析器プロトタイプ」が本邦初公開され、場内が沸いた。

 午後の部は「臨床編」と題し、実際の臨床でどのように治療を行っていけばよいかについて、午前中に解説した理論に基づきながらケースプレゼンテーション形式で症例を通して解説。咬合治療とは機能的な咬頭嵌合位と形態的・解剖的な咬頭嵌合位の一致を図る咬合再構成であり、そのためには咀嚼終末位、習慣性開閉口運動終末位、生理的噛みしめ位を科学的根拠をもって正確に把握する必要性を述べた。最後に、術者本位による医原性疾患としての機能的不正咬合をつくりだしてはならないと強調した。

 なお、本講演会の内容の一部は、『ザ・クインテッセンス』の2010年11月号特別企画「総義歯からの逆襲! 超高齢社会のいま、総義歯臨床を再考する―第1報―」にて掲載予定である。