2008年7月5日掲載

第14回口腔保健シンポジウム開催

<font color='green'><b>8020運動20周年 世界口腔保健学術大会記念</b></font>

<font color='green'><b>8020運動20周年 世界口腔保健学術大会記念</b></font>
 さる7月5日(土)、よみうりホール(東京都)にて「8020運動20周年 世界口腔保健学術大会記念第14回口腔保健シンポジウム」(日本歯科医師会主催、サンスター株式会社協賛)が「もう始まっている、健康長寿への新たなる挑戦!~最新の研究が明らかにした、お口とカラダの密接な関係~」をテーマに約900名が参集し、盛況となった。  まず「8020運動20周年を迎えて ~医療連携を中心とした歯科医療最前線~」と題するテーマで和泉雄一氏(医歯大教授)が基調講演を行い、8020運動20周年の経緯や歯周病について参加者にわかりやすく解説した。また、歯周病のリスク因子についても触れ、細菌性因子(プラークコントロール)と環境因子(喫煙、ストレス、不規則な生活、食生活)を改善することによって、歯周病の予防や生活習慣病の予防につながることを訴えた。  引き続き、講演1「糖尿病とお口の健康~これまで見逃されてきた不思議な関係~」と題するテーマで柏木厚典氏(滋賀医大医学部附属病院病院長)が登壇。氏は、糖尿病と歯周病の相互作用について述べ、歯周病の慢性炎症持続による高サイトカイン血症がインスリン効果を弱め、糖尿病の悪化や予備軍から糖尿病への進展の原因となることから歯周病の予防を強調した。また、歯科と医科の連携の重要性を訴えるなかで、患者、医師、歯科医師の3者間での医療情報の共有を今後の課題とした。  また、講演2「がん治療とお口のケア~地域連携で患者さんのお口をサポート~」と題するテーマで登壇した大田洋二郎氏(静岡県立静岡がんセンター歯科口腔外科部長)は、参加者を飽きさせないプレゼンテーションを展開。国立がんセンター勤務時代に経験したがん治療と口腔トラブルの関係性をもとに、口腔ケアの重要性を解説した。また、氏が実践している静岡県での地域医療連携の取り組みを供覧し、参加者らは熱心に耳を傾けていた。  その後、会場では山本文郎氏(フリーアナウンサー)によるミニトークや、演者らを交えパネルディスカッションも行われた。  本シンポジウムは、タイトルにある「健康長寿」からか年配の参加者の姿が多く見られ、歯科と医科の関係性について各分野の有識者がわかりやすく解説するなど、非常に充実した内容となっていた。

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