社会|2025年10月28日掲載

特別講師の松丸悠一氏とK.S.I.メンバー3名が講演

K.S.I.合同支部勉強会開催

K.S.I.合同支部勉強会開催

 さる10月26日(日)、グランキューブ大阪(大阪府)において、スタディグループK.S.I.(奥森健史主幹、大澤浩史会長)による合同支部勉強会が開催され、歯科技工士を中心に約90名が参集した。「next innovation meeting」をテーマに企画された本勉強会には、特別講師として松丸悠一氏(歯科医師、Matsumaru Denture Works代表)が招聘され、K.S.I.メンバー3名とともに講演を行った。

 最初に登壇した大澤氏(歯科技工士、歯科技工二葉商会)は「“適合”のその先へ 次世代RPDを支えるデジタルコミュニケーション」と題して講演を行った。デンチャーにおいても術前にCADデザインを行い、3Dプリンターでそのデザインを形にして口腔内で確認することで患者・歯科医師・歯科技工士が治療前にゴールを共有することができ、スムーズな治療に繋がると述べた。

 佐野雄治氏(歯科技工士、LETO DENTAL LAB.)は「ジルコニアサベイドクラウンとパーシャルデンチャーで対応した症例」と題して講演を行った。通常はメタルセラミッククラウンで製作するサベイドクラウンを、患者と歯科医師の要望からモノリシックジルコニアクラウンで製作した症例を供覧し、口腔内で機能するパーシャルデンチャーを製作するためにはプロビジョナルレストレーションでの確認と歯科医師・歯科技工士の連携が重要であると述べた。

 西原 徹氏(歯科技工士、Nexus Dental Technics)は「パーシャルデンチャーにおけるマウスプレパレーションの重要性」と題して講演を行った。マウスプレパレーションには天然歯やすでに装着されているクラウンに対して口腔内で行う非補綴的前処置と、サベイドクラウンを製作する補綴的前処置があるとし、それぞれのポイントを解説した。

 松丸氏は「総義歯製作におけるプロフェッショナル・コラボレーション―チェアサイド・ラボサイド各々の確認のポイントとは―」と題して講演を行った。まずは先に登壇した3名のプレゼンテーションに対して、歯科医師目線からのポイントを解説した。その後、総義歯臨床における重要なポイントとして、下顎義歯の辺縁封鎖に必要なポイント、上顎の解剖学的難症例に対して必要なデザインを解説したうえで、製作工程順にチェアサイドとラボサイドがそれぞれ確認すべきポイントを述べた。

 スタディグループK.S.I.は今後も合同支部勉強会を開催する予定ということである。どのような講演内容が企画されるのが期待したい。

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