2025年3月号掲載
世界のトップランナーたちも絶賛!
【PR】 世界最高峰の硬・軟組織 マネジメントのすべてがここにある!
※本記事は、「新聞クイント 2025年3月号」より抜粋して掲載
小社2024年12月の新刊として石川知弘先生(静岡県開業)の書籍『硬・軟組織マネジメント大全』が刊行されました。本欄では、中田光太郎氏(京都府開業)に本書の特徴や見どころを語っていただきました。
(編集部)
「Quintessence DENTAL Implantology」(QDI)の人気連載が書籍化
すごい書籍が出版された。私はざっと読ませていただいて「自身」の「自信」が音を立てて崩れていくのが聞こえて、今必死で写真を見返して石川知弘先生の技術のディティールを盗もうとモチベーションがダダ上がりしている状態である。Ueli Grunder氏、Istvan Urban氏、Arndt Happe氏という海外のトップランナーから本書籍出版のお祝いメッセージが掲載されていることからも、石川先生の人脈と彼らが認める先生の臨床の到達点がうかがえる。先生のご講演は何度も拝聴しているが、書籍での臨床ケースの網羅は、まさに圧巻の一言につきる。
石川先生の「失われた組織を回復するんだ」という強い意思がすべてのケースからにじみ出ているし、実際その技術はまったく妥協のないゴールのために集積されている。講演や本書の中でも感じるのはそれはすべて患者さんのために、という先生の強い想いである。前書きの中の「われわれは治療の成功のために、ベストを尽くす責任を負っている」という石川先生の臨床姿勢を的確に表しているこの言葉は、非常に重い。
本書の構成と見どころ
この書籍の構成は、1章でトータルな概論が示されており、以下部位別に章がまとめられている。まず1章から読み始めることをお勧めする。硬・軟組織造成のマネジメントに対する石川先生の基本的な考え方、材料・術式の選択について詳細に記述されている。それぞれの症例にどういう理由でこの術式を用いるのか、この材料を用いるのか、そして目的とするゴールをどこに設定するのかという基本的だが非常に重要な治療戦略を知ることができる。1章をしっかり理解したうえで2章からの部位別の詳細な治療戦略と個々のテクニックをしっかり理解していただきたい。
2章の下顎臼歯部の垂直的な硬組織造成の症例群は本当にすばらしく、簡単に模倣できるモノではない。また具体的な術式のステップバイステップを、用いるインスツルメントとその使い方まですべて写真にて詳細かつていねいに解説されている。実際、日常臨床で手術を多く手がけておられる諸賢は、おそらくこのディティールを写真でしっかり見ることで私と同じく多くの技術的ヒントを掴むことになるであろう。
3章は上顎臼歯部の症例が並ぶが、そのすべてがハードで、難症例への取り組み方を知ることができる(いちばんめの症例などどうしようー〔悩〕というくらいなので、必見!)。また耳鼻科的な考察および解剖学的特徴についてもふれられており、従来の上顎洞底挙上術とは一線を画しているためこの章もぜひしっかりご覧いただきたい。
4章、5章は下顎前歯部、上顎前歯部であり、まさに圧巻の内容である。特に垂直的な組織量の回復とどのような難症例においても妥協なき審美的回復を目指してゴールまで突き進む石川先生の姿勢がここでも際立つ。講演でもそうであるが「歯間乳頭の再現」に非常にこだわる臨床が展開される。この章では硬組織はもちろんであるが、軟組織マネジメントにもご注目いただきたい。あらゆるオプションを駆使してもたらされる最終結果に感動を覚えずにはいられない。また、写真解説もしっかり読んでいただきたい。そこに非常に重要な先生の考え方が散りばめられているからである。
これらに加え、6章のトラブルシューティングと部位別の臨床テクニックを解説した動画も必見である。
どんな歯科医師にとっても価値のある1冊
この書籍は臨床現場に立つすべての歯科医師に手に取っていただきたい書籍である。ビギナーの先生方や他分野を専門にされている先生方には、組織再建の最先端とその可能性をぜひ知っていただきたいし、先生方の周りでお困りの患者さんがおられたら、石川先生の存在を知らせていただきたい。インプラント、組織再生に取り組んでおられる先生は、現在の自身の立ち位置を冷静に把握して、この書籍が教えてくれるゴールのために今何をすべきか、ぜひ研鑽を続けていただきたい。ラーニングステージを着実に進んでいく姿勢が大切で、読んだから明日から同じことができるというのではなく、先生の臨床写真を穴が開くほど見て、しっかりマネができるようにトレーニングを積んでいただきたい。
石川知弘先生の集大成、ではない!?
この書籍は“大全”というタイトルがついており、まさに石川先生の臨床の集大成である、と思っていたが、後書きに「現時点の自分の臨床の通過点であり、これからも周囲の仲間たちと進歩し続けていきたい」とある。たしかに先生を見ているとつねに前向きで、どの学会やシンポジウムでもどこかで聴衆として参加しておられる。また、先生に「いつまで臨床するんですか?」とおうかがいした際に、「今ハードな患者さんを診ていて、少なくともその症例はきっちり仕上げてあげたいなぁ」というご返答であった。これを聞いて「石川先生はこれからも自分を必要としている患者さんのために臨床にまい進されるんだ」と確信した。少しでも先生に近づけるように、まずはこの書籍を熟読!(流し読みはダメよ!)して、先生のマネがしっかりできるようにならないといけない、と同時に冒頭で述べたモチベーションダダ上がり状態を維持していきたいし、読者諸賢にも同じ思いをもっていただくことを切に願う。
