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2025年7月号掲載

アライナー矯正治療を学びたい・極めたい先生の必読書

アライナー矯正の“バイブル”誕生! ~矯正治療の未来がここにある〜

 小社2025 年4 月の新刊として、尾島賢治氏(東京都開業)監著による『アライナージェネレーション』が刊行されました。本欄では、林 美穂氏(福岡県開業)に、本書の特徴と見どころを語っていただきました。
(編集部)

アライナー矯正治療の内容の深さと緻密さに驚嘆

 尾島賢治先生監著による『アライナージェネレーション』は、単なるアライナー矯正治療の解説書という枠を超え、この分野における真のバイブルと言っても過言ではない1 冊である。
 本書は、アライナー矯正治療に関する基本的な原理・理論の整理から始まり、臨床応用の実際、さらに近年急速に進化するデジタル技術との融合に至るまで、きわめて網羅的かつ体系的にまとめられている。その内容の深さと緻密さには、読者のだれもが驚嘆することだろう。

顎関節の診査・診断の重要性についても言及

 特に感銘を受けたのは、顎関節の診査・診断についての徹底したアプローチである。すべての矯正治療において、単なる歯列の移動にとどまらず、顎関節の状態を精緻に診査し、それを基盤として治療計画を立案している点には、心から敬服の念を抱かざるを得ない。顎関節を無視した矯正治療がいかに危ういかを理解している術者にとって、この誠実な姿勢は深い共感と尊敬を呼び起こす。

完成度がきわめて高い臨床写真の数々

 圧倒されるのは、55 症例という膨大な臨床例が、惜しみなく収録されていることである。いずれの症例も、初診時から治療終了時までの経過が、精緻な解説と、美しく完成度の高い臨床写真によって詳細に示されている。その完成度の高さには、まさに「非の打ち所がない」という表現がふさわしく、読むたびに深い感銘を受ける。特にすべての症例においてファイナルの結果が完璧であることに、ただただ驚きを隠すことができなかった。

気軽にいつでもどこでも関連動画が視聴可能

 本書には、現代ならではの工夫として、随所に二次元コードが配置されており、スマートフォンで読み取ることで関連動画28 本をYouTube で視聴できる。書籍と映像をシームレスに連携させたこの仕組みもまた、尾島先生の徹底した教育への情熱と、読者への思いやりを感じさせるすばらしい取り組みである。

「志」「技術」「情熱」を共有する共著者らの存在

 尾島先生のすばらしさを語るうえでどうしてもふれておきたいことがある。それは単なる個人の卓越した臨床力にとどまらず、共著者である檀 知里先生、渡邉仁資先生、熊谷友理子先生とともに、すばらしいチームをつくり上げておられるということである。
 志を同じくする仲間たちと力を合わせ、日々高め合いながら、より良い医療を追求するその姿勢には、深い感動を覚える。尾島先生が築き上げたチームは、単なるグループではない。「志」と「技術」と「情熱」を共有しあう、真のプロフェッショナル集団である。

次世代の形状記憶アライナー「Shape Memory Aligner」についても詳説

  本書の最終Part では、「Shape Memory Aligner」という革新的なコンセプトについても詳細に紹介されている。これは、形状記憶特性をもつ新たなアライナー素材・システムであり、これによって従来のアライナー矯正治療がもっていた限界を超える可能性が示されている。
 尾島先生は、「Shape Memory Aligner」の登場が今後の矯正歯科に与える影響を冷静かつ鋭く分析し、未来への展望を明快に示している。
 この最終Part は、単なる技術紹介にとどまらず、矯正治療の未来に対する熱いビジョンを伝えるものであり、読後には胸が高鳴り、希望に満ちた気持ちになる。

だれもが虜になる著者の魅力が詰まった1冊

  筆者は尾島先生と知り合って、まだわずか1年に過ぎない。
 しかし、この1年間で尾島先生の臨床に対する真摯な姿勢、果てしない努力、そして患者ファーストの精神に心から惹かれ、気がつけば完全に「尾島信者」になってしまった。
 尾島先生は、圧倒的な技術と知識だけでなく、「人間力」と「努力」という人としてもっとも尊い力でここまでの道を切り拓いてきた。
 この『アライナージェネレーション』は、筆者が尾島先生を敬愛する理由を、余すところなく伝えてくれる1冊であり、読む者の心にアライナー矯正治療への情熱と誇りを再び灯してくれる。アライナー矯正を学びたいすべての歯科医師、矯正治療を極めたいすべての臨床家にとって、本書は羅針盤であり、灯台であり、道しるべである。
 今後、アライナー治療を志す者にとって、『アライナージェネレーション』を手に取らない理由はもはや存在しない。
 この書籍を手にした瞬間から、あなたも尾島先生の世界観にふれ、アライナー矯正治療への情熱と誇りを胸に抱くことになるだろう。