2017年11月23日掲載
メインテーマは「Essence of Spline HA Implant」
株式会社白鵬、Spline HA Implant Network Meeting 2017を開催

トップバッターは菅原明喜氏(東京都開業)。基調講演「インプラント界の都市伝説を検証する」と題しての幕開けで、HAとチタンの違いをおさらいし、HAインプラントの表面は本当にHAか?との持論が展開された。
つづいて、岸田 剛氏(千葉県開業)が「Spline HAインプラントを上顎前歯部抜歯即時埋入症例に応用して」と題して登壇。インプラントを臨床に取り入れて20年の歴史とともに臨床実感の変化をまとめた。岡村立国氏(東京都開業)は「スプラインを用いた安心・安全な歯槽頂アプローチによる上顎洞挙上術について」と題して講演。HAインプラントはbiointegration、すなわち骨面とインプラント双方からの結合であることを強調し、強力な生体親和性を考慮した臨床術式が披露された。つづく林 丈裕氏(東京都開業)の「4S Conceptを考慮したSplineインプラントの臨床的優位性」では4S(Short、Small、Simple、Safe)コンセプトをよりどころにしたインプラント臨床像が提案された。さらに、黒澤悟氏(茨城県開業)が「フルマウス咬合再構成ケースにSplineインプラントを用いた一例」と題して登壇。フルマウスの症例における咬合再構成を語り、生体反応や治癒の個体差に着目することの重要性を問うものとなった。新名主耕平氏(東京都開業)は「IOD(インプラントオーバーデンチャー)におけるHAKUHOインプラントの臨床使用例」と題して講演。症例の状況によってインプラントオーバーデンチャーに用いるSplineとLODIの使い分けを提案した。ラストバッターは中村雅之氏(東京都開業)が登壇。「健康寿命延伸のためのSplineインプラントの臨床的優位性」と題して欠損歯列のレベルなどによる治療法の違いを披露し、ここでも症例の状況によるインプラントの使い分けが提案された。
最後に統括講演(座長兼任)として武田孝之氏(東京都開業)が登壇。「患者に寄り添うインプラント治療」と題して、長い経過のなかで変化に追従し、穏やかな時間を患者とともに共有することの重要性が説かれた。菅原氏を除く7名の座長・演者が登壇したディスカッションでは、超高齢社会に突入した今、患者の負担を少なく、安全で効果的なインプラント治療をめざすには、患者の条件によるインプラントの使い分け(適材・適所)が必要との統一見解が得られて終幕した。