2018年7月21日掲載

「既成との対峙、そして創造へ 〜Dental Singularityを目指して〜」をテーマに

第59回日本歯科医療管理学会総会・学術大会開催

第59回日本歯科医療管理学会総会・学術大会開催
 さる7月21日(土)、22日(日)の両日、日本歯科大学新潟生命歯学部(新潟県)において、第59回日本歯科医療管理学会総会・学術大会(藤井一維大会長、白土清司理事長)が「既成との対峙、そして創造へ ~Dental Singularityを目指して~」をテーマに開催された。2日間にわたり、基調講演1題、シンポジウム1題、認定医研修会1題、教育講演1題、特別講演1題、口演発表18題、ポスター発表14題の充実したプログラムが展開された。

 1日目の安藤雄一氏(国立保健医療科学院統括研究官)による基調講演「歯科医師需給問題 既知と未知」では、これまでの既知のデータを供覧しながら、2025年頃からリタイアする歯科医師が急増し、これまでの「一人開業医」だった歯科医療提供体制が変わることを強調。また、歯科医療の需給問題は歯科医師だけでなく歯科衛生士、歯科技工士も併せて考える必要があるとし、とくに歯科技工士の供給不足に陥る可能性があることに強い懸念を示した。

 また、堀 憲郎氏(日本歯科医師会会長)と住友雅人氏(日本歯科医学会会長)によるシンポジウム「20年後の歯科界を考える」では、歯科界の代表者が登壇することもあり、大きな注目を集めた。まず、堀氏はエビデンスの蓄積をはじめ、日本歯科医師会が10年間にわたりオールデンタルで取り組んできた内容を供覧。その結果として骨太の方針への歯科項目の明記や歯科医療技術の期中導入、新病名の保険収載などを紹介しながら、今後の歯科界の方向性について提言した。つぎに、住友氏はわが国の社会問題として大きく取り上げられている医療・介護の「2040年問題」に向けた歯科の「イノベーションロードマップ」について概説。また、逆転の発想による目標設定の重要性を強調するとともに、多くの意見や英知を結集して社会に発信していく大切さなど、示唆に富んだ内容に参加者は熱心に耳を傾けていた。

 2日目の浅井 厚氏(獣医師、アニマルメディカルプラザ関屋・あさい動物病院院長)による教育講演、北田裕一氏(株式会社JALエンジニアリング代表取締役社長)による特別講演など、歯科にとらわれない他業種の講演という工夫も見られ、盛会となっていた。

 なお、次回大会は、きたる2019年7月12日から14日にかけ、尾崎哲則大会長(日大歯学部医療人間科学分野教授)のもと、日本大学(東京都)において開催予定である。

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