2019年3月10日掲載
300名弱の参加者を集め、歯周外科治療の学びが語られる
第10回上水塾記念大会開催
当日は、7名の塾生が以下の演題で講演を行った。
船木 弘氏(東京都開業):「歯周治療における長期安定性を求めた咬合のコントロールを考察する」
吹譯景子氏(福岡県開業):「歯周外科治療の基盤づくりを目指して」
森本昌孝氏/村川達也氏(ともに福岡県開業):「『メスがスーッと入る』歯周外科を目指して」
鈴木泰二氏(東京都開業):「垂直性骨欠損へのアプローチ」
松原 徹氏(滋賀県開業):「ロードオブザ上水塾」
溝上宗久氏(福岡県開業):「再生療法における良好な治癒を求めて」
さらに、同塾のインストラクター3名も以下の演題で講演を行った。
池上龍朗氏(福岡県開業):「Regrothの可能性を探る」
平井友成氏(福岡県開業):「エンド-ペリオ病変~診断の基本とその対応~」
金成雅彦氏(山口県開業):「ペリオと矯正の関わり方」
なお、すべての講演の座長は金成氏が務め、水上氏とともに適切な講評が逐一行われた。
最後に、水上氏が「歯周外科処置の過去、現在、将来」の演題で特別講演を行った。水上氏は、自身の歯科医師としての歴史を振り返ったうえで、近年の歯科医療のパラダイムシフトについて言及。歯周外科治療を含め、学術の変化は非常に早いため、つねに情報をアップデートして、過去の経験や知識を取捨選択していくことの重要性を語った。
その後は、歯周外科治療における(1)考え方の変化、(2)アプローチの仕方の変化、(3)外科術式の変化を自身の新旧の症例で例示し、今後期待される治療の方向性を示した。
ちなみに、同塾は前日に歯科医師セッションおよび歯科衛生士セッションに分けてのクローズドの例会を行っており、本会には塾生らのもとで勤務する歯科衛生士の参加も多くみられた。両日をとおして、歯周治療の成功が歯科衛生士の支えなくしては成り立たないことがところどころで触れられ、その役割の重要性が実感できる講演会でもあった。