2021年3月7日掲載

動画サイト・YouTube限定公開にて初のWeb開催で盛会となる

第9回長野県歯科インプラントネットワークミーティング開催

第9回長野県歯科インプラントネットワークミーティング開催
 さる3月7日(日)、第9回長野県歯科インプラントネットワークミーティング(長野県歯科インプラントネットワーク主催、世話人代表:植田章夫氏)が、動画サイトYouTubeにて開催された。本ネットワークは、長野県の松本歯科大学と信州大学の大学病院を中心として、長野県における安全かつ有効なインプラント治療を推進するために設立されたもので、近年は毎年3月に松本市あるいは長野市にてミーティングが開催されていたものの、昨年の第8回ミーティングはCOVID-19拡大の影響を受け急遽中止となり、今回は2年越しの満を持しての開催となった。

 植田氏の挨拶の後、特別講演1として「サイナスリフト、やって良い症例、いけない症例」と題して嶋田 淳氏(明海大)が講演。上顎洞底挙上術における歯槽頂テクニックと側方開窓テクニックの適応や移植材料の使い分けを詳説、さらに上顎洞粘膜を穿孔するトラブル症例の動画なども供覧し、視聴者の注目を集めた。同タイトルにて「Quintessence DENTAL Implantology」2019年6号に嶋田氏の特集記事が掲載されているので、参照にされたい。

 続く特別講演2では、樋口大輔氏(松本歯科大)が「1.患者は治療効果をどのように実感しているのか、2.サージカルガイドの留意点」の題で講演し、OHIP(Oral Health Impact Profile)などを用いた患者の主観的評価と術者の評価が必ずしも一致しないことを示した。また後半ではサージカルガイドを用いた埋入手術の注意点に関して、術前に患者の開口量を確認することやアシスタントの教育が重要であると説明した。

 最後の講演はLive配信として、辰巳順一氏(朝日大)が「成長因子を用いた歯周組織再生療法のBack to Basic」と題して講演した。歯周外科処置の適応症から処置の具体的な手法、そして成長因子を用いた歯周組織再生療法に至るまでをわかりやすく解説。リグロス(FGF-2)を用いた再生療法時には填入前にあらかじめ縫合糸を歯肉に通しておき、填入後にすばやく閉鎖するなどのテクニックを供覧し、好評を博した。講演後には座長を務めた吉成伸夫氏(松本歯科大)とインプラント周囲炎の治療に関するディスカッションを交わすなど、充実の内容となった。

 次回の第10回インプラントネットワークミーティングは、きたる2022年3月に長野県で開催される予定である。

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