萬人一語

未来を見据えた人財育成のために

2022年5月号掲載

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2022年5月号掲載

未来を見据えた人財育成のために

 歯科医療機関にとって人材の活用は必須です。その人材を組織における価値ある存在となる「人財」に育成しなければ、医療チームの人間関係の課題は5年・10年先も増え続けるでしょう。

 ここ数年、スタッフ教育に関する相談内容が変化してきました。新入職者と既職者との問題がほとんどです。どちらに合わせるかではなく、若いスタッフが育つ環境を至急整備してください。若いスタッフの特徴として「双方向コミュニケーションが好きな人が多い」「個人情報に対する意識が高い」「自己学習を好むので押し付けが苦手」「我慢強くはないけれど根気強い人が多い」などはありますが、はっきりしているので対応すればよいだけです。

 個別面談時によく聞くのは「いま・ここで自分が成長できるか」「共感できる仲間がいるか」「承認してくれる上司がいるか」を重視する傾向があり、そして「常識にとらわれない」ことです。

 だからこそ経営者側は「VISION・MISSION・VALUE」を明確に示し、スタッフのゴール到達中間点であるMISSIONに向かって手ごたえのある仕事を積み重ねられる環境整備が求められます。個人に任せるのではなく成長評価支援のための明確なルールや契約書など、「組織づくりの仕組み化」をお勧めします。

 「伝えた」と「伝わった」が違うように、伝わっていない理念や使命は絵にかいた餅であり、責めるべきは人ではなく仕組みです。未来の歯科界を担う新人が育ち続け、成長し続ける歯科医療機関であるためにできることを。