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歯科医療機関、4月診療分対前年比約21%減で経営状況厳しく

2020年7月号掲載

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歯科医療機関、4月診療分対前年比約21%減で経営状況厳しく

日本歯科医師会

感染予防のためマスク着用で会見に臨む堀 憲郎会長。
感染予防のためマスク着用で会見に臨む堀 憲郎会長。
 5月28日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、堀 憲郎会長)による定例記者会見が開催された。

 冒頭の挨拶で堀会長は、新型コロナウイルス感染症の歯科の対応について言及。オーバーシュートに至ることなく同月25日(月)に緊急事態宣言が解除されたことについて、臨床現場の歯科医療従事者の尽力に謝意を示した。また、日歯として一貫して「歯科医療提供体制の維持」という方向性を堅持できたことに対して感謝しつつ、歯科治療を通じた感染事例報告が1件もなかったことを強調した。しかし、第2波、第3波の感染流行も視野に入れた「大規模感染症を踏まえた歯科診療ガイドライン(仮)」の策定も進めながら、今後は長期間にわたる自粛生活にあった国民、特に高齢者への口腔機能管理の配慮を訴えた。

 また、日歯会員を対象に行った歯科医業経営状況に関するアンケート調査の速報(5月27日時点)が発表された(右図)。歯科医療機関における3月・4月分の保険診療状況の対前年度比較では、全体で4月診療分においては約21%減(3月診療分の対前年度比は約5%減)となり、厳しい経営状況であることが明らかになった。

 そのほか、柳川忠廣副会長より、記者会見前に開催された理事会で決定した日歯の会費延納(前期は9月15日まで、後期は来年3月15日まで)や、「新型コロナウイルス感染被害見舞金」を支給(金額20万円)することなどもあわせて報告された。今回の見舞金の対象は、歯科医療機関の院長やスタッフが新型コロナウイルスの感染によって休業を余儀なくされた場合のみ。

歯科医療機関における3月・4月分の保険診療状況の対前年度比較(日歯資料より一部抜粋)。