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2012年4月8日

日本歯科大学・ハーバード大学 歯周病学卒後研修コース オープニング基調講演開催

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 さる4月8日(日)、日本歯科大学生命歯学部・九段ホール(東京都)において、日本歯科大学・ハーバード大学 歯周病学卒業後研修コース オープニング基調講演が開催された(日本歯科大学生命歯学部主催、ハーバード大学歯科医学部協力)。

 本卒後研修コースは、大学卒業後の知識、技術の継続的向上を目指し、歯周治療の基礎から臨床までの最新知識と歯周治療技術、さらには高度な技術の理解と実践能力の習得に焦点を置いたコースで、6月開講を予定している。日本歯科大学を中心とした講師陣による計10日間の日本での研修に加え、ハーバード大学での講義を受けることができる。本講演会はそれに先立って、ハーバード大学から2名の講師を招聘して催された。

 まず、久世香澄氏(ハーバード大)による講演「歯周病臨床とインプラント療法の最新の考え方」では、歯肉増殖症や即時荷重によるインプラント治療、再生療法、GBRなどの症例をあげ、治療を進めていくにあたっての科学的根拠の捉え方の解説がなされた。久世氏は、「治療法にしても材料の選択にしても、医療はカスタムメイドであるため、他の患者でうまくいったからといって別の患者にも応用できるというものではない。個々の患者において、なぜその材料でその方法を選択したか、それをサイエンスに基づき決めていくことが大事である」と強調した。

 午後からはNadeem Y. Karimbux氏(ハーバード大)による講演「創傷治癒の原理とペリオにおける硬組織・軟組織の再生~全身と歯周組織の関係、事実あるいはフィクション~」が行われた。最近米国では、生きた細胞である「Living Cellular Construct」という製品が歯周病患者の根面被覆術への適応が認められ、従来からの結合組織を移植する方法にくらべても結果が良好だという。本講演では、再生療法の他、インプラント周囲炎、全身と歯周病との関連などについて、日々更新される最新の情報が報告された。