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2012年7月7日

世界口腔保健学術大会記念 第18回口腔保健シンポジウム開催

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 さる7月7日(土)、津田ホール(東京都)において、「世界口腔保健学術大会記念 第18回口腔保健シンポジウム」(日本歯科医師会主催)が開催され、市民450名超が参集した。本会は、1994年にWHOが世界保健デーのテーマを「口腔保健」とし、東京で世界口腔保健学術大会を開催した際に採択された「口腔保健に関する東京宣言」に「8020運動の展開」が盛り込まれたのを記念して、毎年の開催が始まったものである。今回は「健康寿命の鍵は、口の健康! 歯周病と全身の密接な関係」をテーマにしている。

 まず松下健二氏(国立長寿医療研究センター口腔疾患研究部部長)による基調講演「口腔と全身の密接な関係~健康長寿と口腔ケア~」が行われた。氏は、日本が抱える少子高齢化問題への対策として、国民ひとりひとりが健康寿命を長くし、介護が必要となって死に至るまでの「衰退期」を短くするために介護予防に取り組む必要があること、また糖尿病や動脈硬化などの老年病の発生や増悪に歯周病が大きく関係するなど、介護予防に口の健康が大きくかかわることを解説した。

 続いて高柴正悟氏(岡山大大学院教授)が講演「口腔と全身の密接な関係~健康長寿と歯周病~」を行った。氏は歯科治療、特に歯周病に関する需要が今後高齢者型になることに鑑みつつ、「人間と細菌は共存しているため、感染症である歯周病も共生する病といえる。神経質な殺菌・滅菌にこだわるのではなく、細菌とのバランスをとりながら生きていくという感覚が大事。そのためには毎日のセルフケアや定期的な検診が重要」とした。

 その後ブラッシング実践講座が石井実和子氏(東京都歯科医師会附属歯科衛生士専門学校教務主任)に、ミニトークがゲストスピーカーの大林素子氏(スポーツキャスター)によって行われた。最後は松下、高柴、大林の各氏が登壇し、パネルディスカッションを行った。その中で、1日歯を磨いていない人のプラークを顕微鏡カメラで写したライブ映像が観客に提示されると、会場はそこに映った細菌や歯周病菌の多さに驚きの声をあげていた。