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2013年2月10日

気仙沼・南三陸「食べる」取り組み報告会開催

「口から食べる」ことへの熱い想いが語られる

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 さる2月10日(日)、宮城県歯科医師会館(宮城県)において、気仙沼・南三陸「食べる」取り組み報告会(気仙沼歯科医師会、気仙沼・南三陸「食べる」取り組み研究会主催)が開催され、130名以上の関係者が参集した。本会は、近年とくに高齢者や障害をもつ方への「口から食べる」ことの対応が全国各地で取り組まれているなか、2011年に発生した東日本大震災を契機に気仙沼・南三陸地域でさらに顕在化した「口から食べられない」という問題について、外部支援を受けながら病院・施設・在宅などの各方面が取り組んできた経験や情報を共有・論議し、さらなる研鑽を積むという趣旨のもと、開催された。

 会場では細谷仁憲氏(宮城県歯科医師会会長)による挨拶後、震災後の気仙沼・南三陸地域の「食べる」取り組みと支援状況の概況について、まず、本会の中心的存在であり司会を務めた古屋 聡氏(医師、気仙沼口腔ケア・摂食嚥下・コミュニケーションサポート)は、震災発生直後から現在もなお外部支援として同地域に継続的にかかわっている在宅医療や口腔ケア支援、摂食嚥下指導などの活動について概説した。

 その後、医師、歯科医師、看護師、言語聴覚士、理学療法士、介護福祉士、歯科衛生士など多職種による12題の報告が行われた。摂食嚥下障害の評価と訓練、口腔ケア、栄養指導など、それぞれの立場から実践をふまえた発言は「口から食べる」ことへの熱い想いが表されており、満場となった会場は終始熱気に包まれた。

 最後に、古屋氏とともに同会の活動を支えた小山珠美氏(看護師、東名厚木病院)は、「今後も口から食べることへの重要性を発信していきたい」と述べ、法人設立に向けて準備を進めていることを明らかにした。

 震災発生後まもなく2年が経過するなか、気仙沼・南三陸地域における地域医療連携ネットワークの構築が着実に進んでいることを実感した報告会となった。