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2013年4月6日

林美加子教授就任1周年記念国際シンポジウム開催

「Dentistry in the 21st Century:Challenges of a Globalising World」 をテーマに

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 さる4月6日(土)、7日(日)の両日、大阪大学コンベンションセンター(大阪府)において、林美加子教授就任1周年記念国際シンポジウム「Dentistry in the 21st Century:Challenges of a Globalising World」(大阪大学大学院歯学研究科歯科保存学教室主催)が開催された。

 本シンポジウムは、昨年、大阪大学大学院歯学研究科として初の女性教授となった林氏の就任1周年を記念して企画されたもので、IADR会長のDr.Helen Whelton(アイルランド・コーク大教授)ほか、国内外から多数の演者を招聘。21世紀の歯科医学がQOLの向上に果たすべき役割、そしてグローバル世界にいかなる貢献ができるかについて討議することを目的に開催された。

 初日は、林氏による講演「歯科が未来に輝くために―シンデレラからヘルスケア舞台の華へ」が行われた。氏はまず冒頭で「21世紀初頭の歯科医療は重大な転換期にあり、以前は考えられなかったような機会があると同時に、あらゆるところに危険が潜んでいる時代でもある」と述べたうえで、日本および世界の歯科医療の歴史を紐解き、世界的な健康格差や各国の予算など、現在抱えている問題点を列挙しながら、21世紀の歯科医療のあり方について考察。とくに、口腔の健康が全身の健康を導くこと、それにはリスクアセスメントと予防が重要であると述べ、「歯科は不幸なシンデレラとして扱われてきたが、私たちが予防スタイルを確立し、すべての力を結集すれば、私たちの分野(歯科)がすべての人へ健康的な長寿へ輝く光となるだろう」と結んだ。

 つづいて、シンポジウム「日本と世界の歯科医療―ベストヘルスケア実現の鍵」では、鳥山佳則氏(社会保険診療報酬支払基金本部歯科専門役)、桃井保子氏(鶴見大教授)、Dr.Margaret Wilson(マンチェスター大)、Tom Ward氏(東京都開業)が講演した。その後、Dr.Wheltonによる基調講演「QOLの実現に果たすオーラルヘルスプロモーションの役割」のほか、シンポジウム「アドバンスリサーチの現代歯科臨床への貢献」では今里 聡氏(阪大教授)、Dr.Markus Haapasalo(ブリティッシュコロンビア大教授)、村上伸也氏(阪大教授)が登壇し、それぞれ専門分野から最新の知見が述べられた。

 2日目は招待講演「グローバル世界における歯科医学」として、Dr.Nairn Wilson(King’s College London教授)が講演したほか、インターナショナルフォーラム「世界の歯学部の国際化戦略を知る」では、森尾郁子氏(医歯大教授)、Dr.Siriwan Suebnukarn(タイ)、Dr.Mahesh Verma(インド、ビデオレター)、Dr.Jae li Lee(韓国)が各国の大学教育の現状と取組みについて講演した。

 各演者が再登壇してのパネルディスカッションでは、会場の参加者からも積極的な発言がなされるなど、終始盛会であった。最後に、閉会の挨拶に立った林氏より、「The HAYASHI DECLARATION」が発表され、熱気に満ちた2日間の幕は閉じられた。