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2013年5月31日

第56回春季日本歯周病学会学術大会開催

「Gingival marginを見つめなおす」をテーマに3,000名超の参加者

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 さる5月31日(金)、6月1日(土)の両日、タワーホール船堀(東京都)にて、第56回春季日本歯周病学会学術大会(山本松男大会長、永田俊彦理事長)が「Gingival marginを見つめなおす」をテーマに開催され、歯科医師、歯科衛生士ら3,000名超が参加し、盛会となった。

 本大会では2日間にわたり、特別講演、シンポジウム、学会学術賞受賞記念講演、倫理委員会企画講演、認定医・専門医教育講演をはじめ、一般口演やポスター発表など多数のプログラムが組まれた。

 初日の特別講演1「口腔衛生学と歯周病学の融合:歯根膜細胞とバイオフィルムのクロストーク」では、吉江弘正氏(新潟大教授)の座長のもと、花田信弘氏(鶴見大教授)が登壇。歯科治療や咀嚼で日常的に発症することで昨今問題となっているバイオフィルム細菌による歯原性菌血症について、とくに医科からの報告が多いことを挙げながら、その対策について詳細な解説がなされた。

 シンポジウム1「歯肉上皮の機能を考える」では、下野正基氏(東歯大名誉教授)の座長のもと、谷口威夫氏(長野県開業)、山本 剛氏(昭和大講師)、藤田 剛氏(広大講師)、橋本貞充氏(東歯大准教授)がそれぞれ講演。長年臨床を行っている谷口氏の質問に、基礎系の気鋭の研究者たちが答えるという形式で、上皮付着のメカニズムをめぐって示唆に富んだ議論が交わされた。

 2日目の特別講演2では、山本松男氏(昭和大教授)の座長のもと、Stefan Renvert氏(スウェーデン・Kristianstad大教授)が「Epidemiology, diagnosis and treatment of peri-implantitis」と題して講演した。氏の共著で、日本語版が出版されたばかりの『Peri-implantitis インプラント周囲炎』(クインテッセンス出版)の内容を中心に、インプラント周囲炎の診断、リスクファクター、治療、メインテナンスの実際まで、最新の知見を交えて詳細に解説。とくに、メインテナンス間隔は個々の患者に応じて設定すること、その際、高齢患者では服用薬剤に変更がないかを確認するなど、つねに患者情報をアップデートすることが重要とした。

 シンポジウム2「歯周病を通してインプラント周囲炎をとらえる」では、小方頼昌氏(日大松戸教授)の座長のもと、熱田 生氏(九大)、竹内康雄氏(医歯大)、宗像源博氏(神歯大講師)、松井孝道氏(宮崎県開業)が講演。いまだ確立した治療法がないインプラント周囲炎について、最新の知見が報告された。