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2013年12月1日

日本歯科医科連携医療研究会、第7回セミナーを開催

医師2名が喫煙の悪影響について熱く語る

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 さる12月1日(日)、慶應義塾大学病院(東京都)にて、日本歯科医科連携医療研究会(JSDMC:國弘幸伸医療担当理事長、谷 信洋総務担当理事長)による第7回セミナーが開催された。本研究会は、歯科医療に隣接する医科学、社会学、法学などの各分野の知識を習得し、心身の健康増進、歯科医療の充実を図ることを目的に発足したものであり、定期的にセミナーおよび勉強会を行うなど精力的な活動を行っている。

 7回目となるセミナーでは、門倉義幸氏(昭和大横浜市北部病院耳鼻咽喉科長、医師)による「医師も知らない身近な発癌原因~タバコ煙はPM2.5を上昇させ北京並みの大気汚染の原因となる~」と題する講演が行われた。氏は、多くの癌の発症に共通する生活習慣に触れながら、頭頚部がんと喫煙・受動喫煙の関係性について多数のデータとともに解説した。そのなかで、受動喫煙が原因で死亡する数が交通事故による年間死亡者数を上回ることや、近年健康への影響が懸念される微小粒子状物質「PM2.5」とタバコ煙の関連性、また禁煙啓発活動に積極的に取り組んでいることなどについても述べた。

 引き続き、松岡 宏氏(愛媛県立今治病院副院長 循環器科・禁煙外来、医師)による「医療従事者として知っておくべき、タバコの基礎知識」と題する講演が行われた。氏は講演のなかで「タバコは嗜好品でなく喫煙行為は病気。喫煙者は患者ということを認識すべき」と強調した。また医療系学生の喫煙状況やタバコによる社会コスト、さらには歯周病と全身疾患の関係などにも言及しながら、医療従事者がタバコに対する正しい知識をもつことの必要性について述べた。

 喫煙は治療や予後に悪影響を及ぼすことからも、さまざまな領域の医療従事者が一堂に会して情報共有ならびに意見交換を行う場は今後ますます必要になる。さらなる医療連携への期待が感じられるセミナーとなった。