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2015年3月29日

第19回 WCOI Japan学術講演会開催

安全なインプラント治療に欠かせない3つの基礎的なテーマのもと充実の講演が展開

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 さる3月29日(日)、日本歯科大学生命歯学部(東京都)にて、第19回 WCOI Japan(大里重雄会長)学術講演会が開催された。

 始めに小林 馨氏(鶴見大教授・歯学部長)が「安全なインプラント診療に必要な画像診断」と題し、パノラマX線、CT画像診断の目的と読影のポイントについて解説。歯根破折や、硬化性骨炎、上顎洞炎、慢性骨髄炎、線維性異形成症、さらには扁平上皮癌や悪性リンパ腫といった疾患の見極め方について、豊富な症例とともに述べた。また、講演後はコーンビームCTの被曝線量に関して質疑応答がなされ、放射線が与える影響について正しい知識を持ち、患者さんに正確な情報を伝えることの重要性が確認された。

 続いて佐々木裕芳氏(日歯大教授)は「Dental Implants:口腔科医としての全身のBenefit and Riskを検討する」と題した講演を展開。もっとも歯科医師からの質問が多いという循環器疾患について詳しく解説した。具体的には、不整脈や高血圧に関する基礎知識、ワーファリンを休薬するタイミングや、新規経口抗凝固薬(NOAC)服用患者に対応する際の注意点などについて述べ、会場の関心を引いた。

 最後に小出 馨氏(日歯大新潟生命歯学部教授)は「インプラント治療における咬合構成の要点」と題し、わが国において認知症患者が加速度的に増加するなか、歯列の再建と保全による顎口腔系の機能維持が重要であると説いた。さらに、姿勢維持、顎関節、顔貌、および全身に咬合が及ぼす影響に触れ、実践的かつ有効な触診と咬合調整の方法について説いた。

 現在のインプラント治療における重要課題を論じる充実の講演会を企画したWCOI Japanだが、2016年11月11~13日にはデリー(インド)において、AAIDとの共催学術大会を開催する予定である。本会のますますの幅広い活動に期待したい。