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2015年4月5日

学術講演会「創立百年の九歯大同窓生から吹く新しい風」開催

九歯大同窓会主催、九歯大共催で

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 さる4月5日(日)、北九州国際会議場(福岡県)にて、平成26年度九州歯科大学(以下、九歯大)創立百周年記念学術講演会が、九歯大同窓会(松延彰友会長)主催、九歯大(西原達次理事長・学長)共催により、「創立百年の九歯大同窓生から吹く新しい風」をテーマに開催され、同窓生を中心に約300名が参集し盛会となった。

 はじめに開会式が行われ、同窓会学術担当常務理事の立和名靖彦氏(福岡県開業)、同窓会会長の松延氏(福岡県開業)、九歯大理事長・学長の西原氏による挨拶の後、九歯大出身の演者6名が午前・午後の部に分かれ講演した。

 午前の部では、まず新名主耕平氏(東京都開業)が「インプラント治療の新たなベーシックを探求する~今後の歯科治療のコンセプトはどのように変化していくのか」と題し登壇。超高齢社会における諸問題を挙げながら、患者が元気なうちに咬合再構成を行うことで低栄養の回避や体幹の安定、社交性の向上が期待できると述べた。
 つぎに、井上 優氏(福岡県開業)が「MI審美修復」と題し講演。接着のメカニズムをイラストでわかりやすく解説しながら、MI審美修復の成功のポイントを症例を通じて提示。歯科医師側も患者側もMIの概念を正しく理解する必要性を説いた。
 つづいて、川村則夫氏(高知県開業)が「全顎的な修復症例から今考えること」と題して講演。患者の基礎資料を収集し、問診で得た情報をスタッフと共有して治療にあたる重要性を述べたうえで、患者の視点に立ったアプローチについて実際の治療とともに解説した。その後、午後の部の演者も交えた座談会が行われ、スタッフ管理の問題、臨床における性差や地域差のメリット・デメリット、今後10年のビジョンなどについて活発な議論が交わされた。

 午後の部では、まず中田光太郎氏(京都府開業)が「審美性と予知性を高めるための歯周形成外科手術」と題して登壇。患者の審美的要求が高まり、歯周形成外科手術のニーズが増えている現状を述べたうえで、高度な手技で軟組織を審美的に再建した多くの症例について動画も交えながら解説した。
 つぎに、甲斐康晴氏(福岡県開業)が「歯牙・歯列・咬合単位における総合診療へのアプローチ」と題し講演。咬合再構成において全体のバランスを考慮しながら部位ごとに診査と再評価を行い、基本的なステップを1つひとつ積み重ねていくことの重要性を症例を通して解説した。
 つづいて、宮下裕志氏(東京都開業)が「劇的な効果を生む歯内療法」と題して登壇。文献に基づきながら、主に痛みの診断のプロセスについて解説。「しみて痛い」「鈍く痛い」「咬むと痛い」など、痛みには程度と時間に相関があり、その特徴を把握したうえで診断すべきと述べた。

 最後に、同窓会専務理事の上野道生氏(福岡県開業)が閉会の辞を述べ、「新しい風」と呼ぶにふさわしい講演会は盛会裏に終了した。