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2015年6月13日

「PMDAとの連携を基に臨床研究項目の薬事承認を目指すための研修会」開催

医療機器を創出するためのPMDAとの連携を目指す

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 さる6月13日(土)、歯科医師会館において、日本歯科医学会(住友雅人会長)による「PMDAとの連携を基に臨床研究項目の薬事承認を目指すための研修会」が開催され、大学関係者ならびに歯科関連企業の担当者が多数参集した。

 本研修会は、今後より安全・安心な歯科医療を進めていくために、医薬品や医療機器などの承認審査にかかわる中心的組織である独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)の業務内容を理解し、臨床研究のあり方や承認審査を受ける方法を身につけることを目的としたもの。研修内容は「薬事承認を踏まえたシーズ研究とPMDAの現状」「メーカーからみた薬事承認」「大学での薬事申請活動」「薬事申請の実際」の4つのテーマで構成され、講師それぞれの立場から研究開発に関する現状と今後の展望が述べられた。

 講演では、大学発の医療機器開発において、基礎研究から臨床研究へとつなぐトランスレーショナルリサーチの必要性が強調されていたが、新しい医療機器を早く市場に出すための方法として、開発初期の段階でPMDAに相談するというかたちは今後の常識になると思われる。また、ディスカッションで触れられていた現在の大学における研究者の評価については、論文に重きが置かれているなか、論文と同じように開発や特許などの社会的貢献にも評価がつけば、より研究開発が進むのではないかと感じられた。

 現在の歯科界において、歯科領域で発表された研究の多くは、臨床現場で役立つ技術や機材に進展せず、上市しても臨床現場で役に立つケースは非常に少ない。未承認機器・材料は歯科医師の裁量権と患者さんのインフォームドコンセントのもと、自由診療という流れの中で使用されている現状がある。歯科界活性化のためだけでなく、より多くの患者さんが安心・安全な歯科医療を受けることができるためにもPMDAとのさらなる連携が望まれる。