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2015年10月28日

日本口腔筋機能療法学会 第3回研修会・学術大会開催

両日とも会場は満員で、熱気あふれる会に

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 さる10月28日(水)と29日(木)の2日間、ベルサール九段(東京都)において、日本口腔筋機能療法学会 第3回研修会・学術大会(山口秀晴会長)が「正しい口腔機能の育成とコミュニケーション」をメインテーマに開催された。両日とも、会場は満席状態となった。また、一般歯科や小児歯科などからの参加者も増加傾向にあり、MFTの裾野の広がりが感じられた。

 1日目は、会員向けの研修会とラウンドテーブルディスカッション(RTD)が行われ、それぞれ当初予定していた定員を超える198名、90名が参集した。研修会では、河井 聡氏(東京都開業)、山口美子氏(歯科衛生士・山口歯科医院)が「歯周病のリスクとなりうる開咬症例/舌診断による指導法の選択」の演題で講演を行った。河井氏は、口腔筋機能療法(MFT)により臼歯部の骨欠損が改善した症例などを示しながら、一般歯科におけるMFTの必要性を訴えた。続いて山口氏が、実際に自身が行っている、患者の舌の状態によるタイプ分けと、それぞれに対応させたMFTのアプローチ方法を紹介した。その後に登壇した高橋滋樹氏(高橋矯正歯科医院)は、「どうしてうちではMFTが上手くいかないの? ~MFT導入とそのためのイメージづくり~」の演題で、自院のシステムを例に、医院全体でのMFTへの取り組みの必要性を、歯科医師の立場からアピールした。

 RTDでは、ベテラン歯科衛生士を中心に参加者が6つのグループに分けられた。さらに、今回は初めて25名の歯科医師も参加し、大野粛英氏(大野矯正クリニック)と高橋 治氏(東京都開業)がそれぞれコーディネーターとして2つのドクターテーブルの中心となった。テーブルごとに、日常のMFT指導における疑問や悩みについて積極的に意見交換が行われ、ときにはアドバイザーとして各テーブルを回っていた高橋未哉子氏(歯科衛生士・高橋矯正歯科クリニック)によるMFTの実演も行われ、実践的な内容となった。

 2日目の学術大会には、514名が参集し、朝から会場は満席状態であった。午前のシンポジウム「よりよいMFTを目指して」では、2名の歯科衛生士が登壇した。寺田典絵氏(銀座並木通り坂本矯正歯科クリニック)は、MFTの永遠の課題である患者のモチベーション維持に対する同院でのアプローチ方法について、松下千晃氏(名古屋矯正歯科診療所)は、矯正治療の保険適応がされている疾患のうちダウン症候群と口唇口蓋裂の患者に対して自身が行っている、オーダーメイドのMFT訓練の方法を紹介した。

 この他にも、教育講演、特別講演、ポスター発表、一般口演が行われた。質疑応答では具体的な質問が多く寄せられ、熱気あふれる会となった。なお、次回は2016年10月19日(水)、20日(木)の2日間、ベルサール九段(東京都)において開催予定。