Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2008年1月13日

第9回日本HIV歯科医療研究会

総会ならびに研究成果発表会開催

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる1月13日(日)、東京歯科大学水道橋病院にて第9回日本HIV歯科医療研究会(池田正一理事長)総会ならびに研究成果発表会が開催された。
 本発表会では、平成19年度厚生労働省研究費補助金エイズ対策研究事業として、HIV感染症の医療体制の整備に関する研究(主任研究者:岡 慎一氏)、歯科のHIV診療体制整備(分担研究者:前田憲昭氏)による研究班の研究成果が発表された。
 午前の部では、「歯科のHIV診療体制整備 班活動報告」が全国8ブロックから報告された。都道府県によっては、院内感染対策に重点を置くブロックなどもあり、HIV歯科診療への関心度は地域差があるため、HIV診療体制の整備にはいまだ時間を要すると感じられた。
 引き続き、山元泰之氏(東医大)による教育講演「HIV感染症の治療の現状」が行われた。山元氏は、最近のHIV感染者の増大と一般化や抗HIV薬のラインナップ増加、薬剤耐性検査の保険適応などについて解説した。また、今後の課題として簡便で有効な治療法や迅速検査の浸透による検査法の新たな展開が望まれると述べた。
 午後の部では、Prof.L.Patton(University of North Carolina School of Dentistry)を招聘し、特別講演「Oral Manifestations of HIV and Periodontal Disease」が行われた。Prof.L.PattonはHIV感染症について、口腔粘膜疾患に関するさまざまな症例を用いて解説した。また、歯科診療における暴露事故についても触れ、リスクの軽減にはスタンダードプレコーションの徹底や鋭利な器具の取り扱いに注意することなどを挙げた。
 その後、7題の一般演題が行われ、各大学で取り組まれているHIV感染者への歯科医療体制や歯科治療時における現状などが紹介された。