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2016年6月9日

Shurenkai学術講演会2016開催

「クローズアップ技工 ドイツの補綴、日本の補綴。」をテーマに

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 さる6月9日(木)、KaVo東京セミナールーム(東京都)において、Shurenkai学術講演会2016(長江 匡実行委員長、中村健太郎主宰)が「クローズアップ技工 ドイツの補綴、日本の補綴。」をテーマに開催され、中村健太郎氏(歯科医師・補綴臨床総合研究所所長)、大川友成氏(歯科技工士・Organ Dental Technology Hamburg)、松前 団氏(歯科技工士・Laguz Sowulo Dental Craft)がそれぞれ講演。平日にもかかわらず、歯科医師、歯科技工士ら約70名が参集する盛会となった。

 冒頭ではまず、中村氏が「Chairman Section 歯科技工から見た、これからの補綴治療の潮流。」と題し登壇。クラウン・ブリッジに関して起きてきた技術の進化や新材料が補綴臨床にもたらしてきた恩恵や、インプラントによるパラダイム・シフト、そしてインプラントを応用できない症例に対する接着ブリッジの活用などについて述べた。また、全体を通じPatient/ Problem Centered care、すなわちいかなる技術・材料もすべては患者のためになるかどうかを基準に判断すべきというポリシーを示した。

 また、大川氏は午前と午後の2部にわたり、「Germany Section Revolution or Evolution CAD/CAMテクノロジーと審美へのアプローチ」と題し登壇。日本人としては2人目となる「ドイツ歯科技工マイスター」の前半ではドイツにおける補綴治療にかかわる保険制度についてや、歯科技工士として患者を直接ラボに招くことのできる環境を生かした患者との距離について、そしてProf. Dr. Matthias Kern(キール大学・ドイツ)とともに臨床を行っている片側リテーナー型接着ブリッジの設計法などについて示した。また後半では、インターネットを介してドイツ在住の患者にインタビューを行った後、引き続き片側リテーナー型接着ブリッジの設計について詳説した。

 そして松前氏は、「Japan Section Nippon Tsushin CAD/CAMが補綴の戦力になるには」と題し、2000年代初頭からのCAD/CAM装置の変遷やCAD/CAMが得意とする形状とそうでない形状について、そして歯科医師に知っておいてほしいCAD/CAM向けの支台歯形成のポイントなどについて述べた。

 締めくくりとしては座長・演者3名によるディスカッションも行われ、演者らが講演中に伝えきれなかったことについて熱く語ったほか、会場からも参加者らが自らの臨床に立脚した質問を寄せ、熱気に包まれていた。なお、Shurenkaiは本年11月3日(祝)に第7回総会を今池ガスホール(愛知県)において開催予定。