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2016年10月30日

第27回アジア口腔インプラント学会(AOIA)開催

日韓で活躍するインプラント臨床医が釜山に集い、熱い議論を交わす

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 さる10月30日(日)、DIO Corporation(韓国・釜山)において、第27回アジア口腔インプラント学会(AOIA:若井広明大会長、井上 達会長)が開催された。本学会は、日本インプラント臨床研究会の創設者である故・乙部朱門氏の「アジア人のためのインプラント研究を」との遺志を継承し、日々進歩するインプラント治療の技術・情報の交換場所として、長年にわたり継続的に開催されている。

 学会前日の29日には、Dr. Jun Hyouk Shin(韓国・釜山開業)によるスペシャルレクチャーが開催された。質の高い審美治療を行う歯科医師として世界的にも著名なShin氏は、おもにCAD/CAM技術を用いた天然歯修復およびインプラント補綴について解説した。

 30日は、まずDr. Do-Eun Dong(韓国・釜山開業)が登壇。補綴治療においてCAD/CAMシステム(ナビゲーションシステム、口腔内スキャナーを含む)を用いることの有効性を説いた。また、これらのデジタルテクノロジーを的確に応用するには、アバットメントの製作などを含め、微細な点にこだわることが重要であると述べた。

 水口稔之氏(東京都開業)は、歯槽頂にスリット状のホールを形成し、専用の器具を用いて上顎洞底を挙上するクレスタルアプローチを紹介。さらには、骨欠損部に対してメンブレンを使わずに、人工骨のみを使用して骨造成を行うテクニックについて解説した。

 Dr. Lee Hyang-Ryeon(韓国・釜山開業)は、豊富な症例を供覧しながら、おもに抜歯後即時インプラント埋入のポイントについて解説。その特長に言及しつつ、抜歯窩の徹底的な掻爬、デジタル技術とサージカルガイドの適切な応用、術前の炎症のコントロールなど、応用にあたっての注意点についても丁寧な説明を行った。

 岩野義弘氏(東京都開業)は、下顎に骨造成を必要とする症例に対して、解剖学的な観点からより安全な手術を行うための新たなテクニック(Modified lateral incision technique)を紹介。減張切開を行わずに切開線の位置を設定し、水平的造成を行った症例を供覧した。

 熱田 亙氏(東京都開業)は、上顎欠損に対するインプラント治療について、Cummerの分類などを紹介しながら教育的な講演を展開。実際にクレスタルアプローチなどを応用したケースなども併せて供覧した。

 また、29日には、今回の学会を全面的にサポートしたDIO IMPLANT Japan株式会社の案内のもと、Dr. Jun Hyouk Shinのクリニック見学、Dr. Lee Hyang-Ryeonによるライブオペ、DIO Corporationの見学およびハンズオンなどが行われ、参加者にとって充実した学会となった。なお会期中には、デジタルデンティストリー拡充のため、DIOデジタル株式会社が新たに設立されたことも発表された。

 次回の第28回アジア口腔インプラント学会は、水口稔之大会長のもと、2018年に開催予定である。