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2016年11月7日

第75回日本矯正歯科学会大会開催

「矯正歯科治療の安定性と効率バランスを追及する」をテーマに

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 さる11月7日(月)から9日(水)の3日間、アスティ徳島(徳島県)において、第75回日本矯正歯科学会大会(田中栄二大会長、清水典佳理事長)が「矯正歯科治療の安定性と効率バランスを追及する」をテーマに開催され、歯科医師・歯科衛生士ら3,951名が会場を訪れた。

 1日目は夕刻から2つのサテライトセミナー「咬合の長期安定性について」「先天性多数歯欠如症例について基礎的・臨床的観点から考察する」と生涯研修セミナー「矯正歯科医療における歯科衛生士の役割・アップデート」が開催され、多くの人が会場の席を埋めた。

 2日目の開会式では大会長の田中栄二氏(徳島大医歯薬学研究部口腔顎顔面矯正学分野教授)が登壇し、本大会準備委員長として尽力したものの、志半ばで逝去した黒田晋吾氏(徳島大大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面矯正学分野)の労を称えつつ、本大会のテーマの解説や成功祈願を述べ、開会の辞とした。

 プログラムには3つの臨床セミナー、ラウンドテーブルディスカッション、女性の社会進出をテーマにしたシンポジウム、企業プレゼンテーション、スタッフ&ドクターセミナー、指導者講習会、その他口演や学術展示、症例展示などが準備され、盛りだくさんの内容であった。

 そのうち矯正歯科医が即実践できる内容を、と準備された臨床セミナー1「歯科矯正用アンカースクリューを用いた治療後の長期安定性」では、本吉 満氏(日大歯学部歯科矯正学講座総合歯学研究所臨床研究部門准教授)、加来真人氏(広大病院口腔健康発育歯科矯正歯科准教授)、渡邉佳一郎氏(徳島大大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面矯正学分野助教)、宮澤 健氏(愛院大歯学部歯科矯正学講座成人矯正歯科特殊診療科教授)が、各自の症例を供覧しながら、歯科矯正用アンカースクリューの垂直的・水平的コントロールの実際とその限界について述べ、歯科矯正用アンカースクリューは矯正歯科治療において非常に有用な器具であるが、その限界を超えた使用については警鐘を鳴らした。

 そのほか特別講演として、2014年ノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏(カリフォルニア大サンタバーバラ校材料物性工学科教授)による「高効率青色LEDの発明と将来の固体発光光源」、教育講演として松本俊夫氏(徳島大藤井節郎記念医科学センター顧問)による「メカニカルストレスと骨」が行われるなど、徳島大学の知の粋を吸収できる機会となった。

 本大会の最終プログラムとして開かれたJOCフォーラムでは、小野卓史氏(医歯大大学院医歯学総合研究科咬合機能矯正学分野教授)から、2020年にアジアで初めて開催されることとなった第9回国際矯正歯科会議世界大会(於・パシフィコ横浜)の日本への招致と広報活動について報告がなされ、今後の日本矯正歯科学会の活動の広がりを感じさせる閉幕となった。