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2016年11月24日

IJP-JPS Workshop for Young Prosthodontic Educators開催

36名の大学若手教員が、IJPの査読・編集と世界標準の補綴治療を学ぶ

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 さる、11月24日(木)から27日(日)の4日間、株式会社松風研修センター(京都府)において、IJP-JPS Workshop for Young Prosthodontic Educatorsが開催された。Workshop for Young Prosthodontic Educatorsは、The International College of Prosthodontists(国際補綴歯科学会)のオフィシャルジャーナルである「International Journal of Prosthodontics(以下、IJP)」(Quintessence Publishing発行)が、同誌の次世代を担う査読編集者育成のために10年以上前に始めたもので、これまでドイツ、中国、韓国にて行われてきた。

 そして今回、日本補綴歯科学会(Japan Prosthodontic Society、以下JPS)とIJPの共催によって日本全国から36名の受講者を募り、JPSからは江草 宏氏(東北大)、大久保力廣氏(鶴見大)、小見山 道氏(日大松戸)、古谷野 潔氏(九大)、澤瀬 隆氏(長崎大)、馬場一美氏(昭和大)、細川隆司氏(九歯大)、前田芳信氏(阪大、以上、五十音順)を講師として、IJPからはDavid Bartlett氏(英国)、Nico H. J. Creugers氏(オランダ)、John Hobkirk氏(英国)、Iven Klineberg氏(オーストラリア)、Michael I. MacEntee氏(カナダ)、Winfried Walther氏(ドイツ)、Shane N. White氏(米国)、George Zarb氏(カナダ、以上、アルファベット順)を講師として、日本で初めて開催された。

 初日午前はまず、本ワークショップのCo-Chairを務めた古谷野氏とZarb氏が開会の挨拶を行い、その後、"On Critical Appraisal for IJP Reviewers and the Journal's Reviewer Format"と題して、Hobkirk氏、 Bartlett氏、古谷野氏の3名が、これまでのIJPの出版の変遷と、IJPの査読者としての心構えや批判的吟味法を解説した。

 午後は、MacEntee氏による講義"On Systematic Reviews -Merits and Shortcomings"がまず行われ、システマティックレビューの利点やこれを読むうえでの注意点が解説された。その後、受講者は6人一組となって個室に移動し、2本のシステマティックレビューに対してそれぞれの講師とともにグループディスカッションを行い、査読者の視点を実践的に学んだ。

 2日目、3日目は、午前中は各講師がそれぞれの専門性に基づいた講義が、午後はグループに分かれ、主催者から提示された3症例に対する治療計画のディスカッションが行われた。そして最終日には、各グループが3症例のうちの1症例の治療計画を参加者全員の前で発表した。

 なお、本ワークショップはすべて英語で行われたが、36名の受講者がこれに臆することなく積極的に発言また海外講師とコミュニケーションをとっていた姿が印象的で、日本の補綴歯科における研究・臨床の未来は明るいと感じた。