2017年7月30日掲載
歯科大学初の細胞バンクへの関心高く、多数の歯科医師が受講
歯の細胞バンク、第2期認定医講習会を開催

会場ではまず、中原 貴氏(日歯大生命歯学部発生・再生医科学講座教授)による講義「歯の細胞バンクの概要と意義」が行われた。中原氏は歯の細胞バンクの流れから始まり、歯髄細胞の安全性(がん化しない)や多分化能、治療効果などに触れるとともに、私立大学で最初となる再生医療等委員会の設置や、歯科大学で最初となる細胞培養加工施設(CPF)の認可など再生医療に向けたインフラ整備について紹介。また、治療抜歯(乳歯、智歯、小臼歯など)や非感染性の抜髄といった適応症や注意点についても症例を供覧するなど、患者福祉の一環として地域医療の一助となる認定医の登録と細胞バンクのさらなる周知に期待を寄せた。
その後、大山晃弘氏(日歯大生命歯学部NDU生命科学講座准教授)による講義「抜去歯の処理と送付」、吉田和正氏(日歯大附属病院口腔外科医長)による講義「附属病院口腔外科における対応」、石川 博氏(日歯大生命歯学部NDU生命科学講座)による講義「歯髄細胞によるオーダーメイド医療の展望」が行われ、受講者らは熱心に耳を傾けていた。講義終了後の質疑応答では、中原氏より細胞バンクの専用ホームページが設置されることも報告された。
なお、本講習会はきたる11月19日(日)、12月3日(日)、同会場にて残り2回の開催が予定されている。
歯科医療の重要性が注目される昨今、歯の細胞バンクが将来の再生医療にむけた歯科の1つの柱になることが期待される。