2018年5月20日掲載
「デンタル、パノラマエックス線画像とコーンビームCTの読影」と題して後藤多津子氏が講演
東京歯科大学同窓会、TDC Academia 2018画像診断セミナーを開催

まず後藤氏は、「口内法エックス線撮影では距型絞りを用いる」「小児の埋伏歯CBCT撮影では、撮影時間を短く、照射角度を限定する」などの小児の被曝を低減するための工夫について解説し、より良い診断のために必要な画質と撮影範囲を限定することで、放射線量を低減・最適化できることを述べた。
つぎに、口内法エックス線写真の撮影時には、投影角度を偏心撮影とすることで、頬側根と重なってよく観察できない口蓋根・舌側根でも観察できること、切歯に重なった埋伏歯が口蓋側にあるか唇側にあるか判断できることなどを述べた。また、デンタルエックス線写真で根尖病変を疑う像が認められたが失活歯が認められずセメント質異形成と診断された、歯内療法を行わず要観察になった症例を示した。
パノラマエックス線写真については、猫背になると首部のエックス線通過距離が伸びて、エックス線吸収量が大きくなり、画像正中部が見えにくくなること、などを解説。きれいな像を得るためにコツや、ゆがんだ像が得られたときの理由を解説した。
歯科用CBCTについては、撮影範囲を小さくすることでボクセルサイズを小さくして高精細な画像を得られ、被曝量も少なくできること、などを解説した。最後に、骨吸収像の原因として歯質の縦破折を見つけた症例など、歯科用CBCTならではの多くの症例を供覧した。